木造耐震診断の価格について

 営業として耐震診断を考えている方を除外して、実際に耐震診断という専門性の高い仕事が業として成り立つのか考えてみました。
 マニュアル(木造住宅の耐震診断と補強方法)の方法を忠実に再現するなら、依頼があったら「一般診断」をまず行い、その結果補強が必要と依頼者が思ったら、「精密診断」を行い、「補強設計」を行い「精密診断(補強後の耐震性)」でOKなら「補強工事」を行うこととなります(わかりずらくてすみません)。
 何がいいたいかというと、これだけの手間と専門性が必要なので、すべて行うとかなりの費用がかかってしまう!ということです。問い合わせで「何でそんなに費用がかかるのですか?」とか「見るだけなのに詐欺同様じゃないですか」っていわれてしまうことがありますがとんでもないのです。
 逆に値段が安い、無料の場合は裏があると思って間違いありません。事業者で無料の場合はまず間違いなく耐震診断を「営業」と考えています。これは耐震診断の費用を耐震補強工事の金額でまかなっているのです。また行政の補助が出る耐震診断でも、行政がきちんと管理せずいい加減な診断が横行している場所もあるようです。安い価格で耐震診断を行っているところは、簡易耐震診断という旧式の単純な診断を行っているところも多いようです。高い値段だから良いというものではありません。先ほどのマニュアルどおり行うとおそらく最低でも20~30万円程度診断でも費用がかかってしまうでしょう。もっと費用がかかるかもしれません。ちなみに30万円あればそれなりの補強を行うことが可能です。
 はじめから「精密診断」を行う、「一般診断」だけで補強を行うということで費用を下げることができるかもしれません。「耐震リフォーム」という形ではじめからリフォーム依頼で診断と補強を込みにすることで費用を下げることもできるかもしれません。今後いろいろと検討してみたいと思っています。

作成者: しろなまず

建築設計やっています。スマホやソフトウェアが好きです。