月別アーカイブ: 2005年2月

木造住宅の利点

 在来木造住宅の利点って何でしょう。私は、住む人と一緒になって成長できる点だと感じています。建物の完成度では鉄筋コンクリート造等のほうが優れていると感じているのですが、木造はリフォームがしやすく、特に在来はその自由度に関して他の追従を許しません。
 リフォームしやすい、というのは間取りの変更もしやすいことを意味します。家は3度作らなければ良いものが作れないといいます。どんなに良い建築家に設計を依頼しても良い家が作れるとは限りません。また家族構成の変更や家族の成長によって家のあるべき姿も異なってきます。ですから家も家族の状態によって変化すべきです。
 更に木造のリフォームは他の構造形式に比べ安価に済むのもメリットです。私が耐震診断した家の大半は何らかの形でリフォーム済みでした。
 そんなわけでメーカ製の住宅や鉄骨造、鉄筋コンクリート造も悪くはないのですが、住宅としてお勧めするのは木造です。ただ品質の良い木造住宅を建てられる建築家、大工は確実に減ってきていると思うので心配です。
 こんなことを書いたのは、実家がほとんどリフォームしていないのを見ているからです。せっかくのメリットをほとんど活かしていないのですから、私の言葉にも説得力がありませんね。さてどうしたものやら・・・。

重なるときは重なるものです。

 ちょっとスランプ気味で、参っている時期でした。そういうときに限って色々と重なるものです。インフルエンザから復活したのですが、無理が祟ったのかリズムに乗り切れません。
 そんな時期に、姉の引越しがあり両親は手伝いに。そしたら祖母の突然の訃報。まあ重なるときは重なるものです。ショックも大きいです。
 最近、いろいろなことでかなり参っていて、今週末には大阪の親友を訪ねていく予定でした。少しでも悩みを聞いて欲しいと思っていたのですが、突然仕事が入って中止に。うーん。結果的に行かなくて良かったのですが。
 来週は少しは良くなって欲しいものです。

首都直下地震の損失112兆円

 政府の中央防災会議「首都直下地震対策専門調査会」が公表した被害想定報告で、東京直下地震でM7クラスが発生した場合経済被害は最悪の場合112兆円に達する恐れがあると公表した。これで昨年12月に公表された中間報告と合わせ被害想定の全容がそろい、2005年度中に「南関東地震対策大網」を見直すという(読売新聞)。

 さてこの記事と12月の記事を読み、内容をまとめているところだが、とにかく発生するととんでもないことになるらしい。東京は世界的に見ても巨大都市で、新潟や神戸とは比べ物にならない。だから同程度の地震であっても被害予測は桁違いになってしまうのは仕方が無いことだ。
 といっていつものように「住宅を耐震化」と繰り返すのは能はない。たくさんの人が都内に働きに出ている昼間に発生する場合、帰宅困難者はかなりの人数になるだろうし、今回の予測でも避難所で生活者は最大460万人!との予測もあり、すべての数字が想像を絶するものである。また状況、天候、発生時間によって同じ地震でも被害レベルが大幅に変わってくる様相もあり、予断を許さない。
 今後、政府から詳細な発表があると思われるし、いつものようにマスコミも騒ぎだすでしょう。耐震の問い合わせも増えそうで、なんか憂鬱です。

耐震診断ソフトのバージョンアップ

 耐震診断ソフトHOUSE-DOCがバージョンアップしました。2月18日に発表されたばかりの建築防災協会の「壁強さ倍率の訂正のお知らせ」に対応したり、伝統的構法に対応したり結構充実したバージョンアップです。驚いたのが三角形の床の考慮や斜め壁を考慮できるようになりました。他にも操作性がかなりアップし使いやすくなりました。
 東京デンコーの安心精密診断2004も2月10日にバージョンアップ。毎週のようにバージョンアップを重ねていたのがようやく?落ち着いたようです。いち早く伝統的工法に対応したり、混構造の対応もよく当初より非常に機能が充実していました。早く最新のマニュアルに対応して欲しいところ。でもかなり完成度が高まってきたのでお勧めできます。
 インテグラルの耐震診断Proは未だ3階建てに対応しなかったり、最新のマニュアルに対応していなかったり現時点だと少々つらいです。しかし使ってみた感じは非常に良く、出力帳票もきれいです。建物の倒壊表示も面白く今後に期待です。特にバージョンアップ予定の地震による建物の揺れを3次元振動表示はかなりインパクトがあります(ホームページでデモがあります)。オプションではありますが、柱頭柱脚の金物算定機能も今後必要となる機能なのでオプションでもあるのは評価できます。
 どのソフトもあまり完成度が高くなかったので選ぶとき正直「どれも選びたくない」状況でした。ようやく完成度が高くなってきたのでうれしい限りです。

そういえば東海地震って?関東大震災って?

 もうすぐ発生する!といわれ続けていますが、いつ発生するのだろう?私的にはノストラダムスの大予言よりは発生確率は高いと思っていましたが。歴史を紐解けば、発生するのは確実!だそうだが、歴史とっても人間が把握している歴史って地球の年齢から考えるとほんの少しの期間だけです。考古学的見地で見ても限界があるのは明らか。だから今すぐ発生するかどうかなど、わからないはずである。
 こんな目茶な文章を書いているのは、関東大震災がらみの資料を検証しているからである。地震学者は、まだ関東大震災クラスの南関東直下の地震は発生しない、といっている。私もそう思っていた。しかし関東の歴史は思った以上に浅く、国家的プロジェクトで予知しようとしている東海地震の研究よりも進んでいないといわれている。だから完全に南関東直下の関東だ震災クラスの地震が発生しないともいいきれないはずなのである。
 これは地震が発生するぞ!と煽っているわけではありません。こんなあてにならないことだから、耐震補強に興味を示さない人が大勢いるのだと改めて感じただけである。建築業界で「耐震診断って儲かるの?」って聞かれ営業のツールと勘違いしている人を良く見かけます。我々、構造屋や耐震診断の専門家が力をあわせて、もう少し良い状況に持ち込める手段はないか悩む今日この頃です。

今週のなまあず通信

今週のなまあず通信は

■連載 マンションの防災対策
■特集 「住宅基礎」の基礎
■防犯ワンポイントアドバイス
■なまあずセキュリティ

でお送りいたします。今回はあまり語られることのない住宅の基礎部分について特集いたします。

基礎の補修

 耐震リフォームの現場で、今日は私も工事に参加。基礎の防水、補修工事です。といってもシーリングして接着剤を注入する作業です。温度が低いためなかなかうまくいかなかったのですが、気温が上がるとあっさり解消。この手の接着剤やシール材は冬場の使用は気をつけなければなりません。
 本来なら職人に任すべき仕事です。しかし、床下は耐震診断時によく潜るうえ、施工しながら点検が出来るので我々がすべきだと判断しました。特に今回の物件の場合、調査は私が行わなかったので多少見て確認しておきたい部分がありましたから。診断の時に素早く補修できるようになれば、サービスとして、とてもよいと思うのですが。暗くて狭いので結構重労働でした。他にも潜ったときに出来る作業がないか確認中です。といっても悪徳業者のように勝手にやって料金を請求する!ということは決していたしません。はい。

耐震補強の価格と効果

 耐震診断をした後、お客様に必ず聞かれるのが耐震補強の価格。ご存知のように、耐震補強をしたら必ず地震にたいして万全である、というわけではありません。また大地震が必ず身近で発生するというものでもありません。そうした不確定要素に対して一種の保険代わりに工事するものですから、そう大金を投じるわけにもいかないと思います。
 そんな考え方をもっているのか、うちの社長は耐震補強に対して結構消極的でした。私もその流れを汲んでいるのか、大々的な工事をお勧めすることはまずありません。
 私が一番お勧めしているのは、弱点補強です。古い建物で、全体的に駄目!な建物も確かにあるのですが、大半は、数箇所重大な欠陥を抱えていたり、少しの補修、補強である程度改善できるものが多いのです。そんな場合の補修・補強費用は大半は50万円以内で納まります。もちろんこれだけで十分!というわけではありませんが、とりあえず緊急性の高い部分の補修
・補強はできます。
 この上で、基礎の補強や、壁の補強を行うようにしています。弱点を見抜けず大掛かりな工事を先に行うのは、あまり利口ではありません。今までの経験で、基礎補強と壁の補強を、十分に行うには、それなりの時間と費用がかかります。壁を優先するほうが、お客様の満足度は稼げますが、基礎のほうが優先の場合が多いです。このあたりはお客様の要望にあったほうを住宅の状況を勘案しながら相談で決めています。基礎補強も実はそれほど高くなく、効果的な部分補強であれば50万円程度から出来る場合があります。壁補強も材料が揃ってきているので一箇所10万円台から行うことが可能になってきました。
 しかし、問題は組み合わせです。「安い」と感じた場合、その効果を勘案しましょう。たとえ費用的に安くても効果が無ければ意味がありません。ですから必ずどの程度費用対効果があるのか確認できる体制が整っていないといけないと思います。私も最近、このあたりのことを整理して提示できるような資料を作成中です。ただ費用をかけて自己満足的に安心させるのではなく、補強方法を理解したうえで安心して満足していただけるよう考えています。

家具固定がしやすい住宅作りも必要?

 最近、家具固定用の様々な耐震グッズが発売されています。某ニュース番組でも、どの耐震グッズが効果があるか3種類実験していました。それぞれ利点、欠点があり、どのような場面でも大丈夫なものではありませんでした。
 壁にねじ等で取付けるタイプがやはり安心という感じがしました。しかし、より効果を発揮するには取付け位置にきちんとした柱が入っていて固定できることが条件です。賃貸等では、壁に傷をつけるわけにいかないので利用できない可能性もあります。今後の住宅では、家具を取付けられる位置がわかるようになっていたり、家具を固定しても大丈夫な長押をつけたり、工夫が必要になってくるようです。初めからデザイン一体でとりつけると便利かもしれません。
 家具の下に敷くタイプは一番手軽ですが、効果は一番薄いようです。それでもないよりはマシなので、他の手段が講じられない場面では利用する価値がありそうです。
 耐震工事とともに、家具を固定できる部分を作成するのも良いと思います。

まだ悪いことやっていたの?この業者・・・

 あるリフォーム悪徳業者が4都県から特定商取引法に基づき是正を指示された。4年間に計858件の相談が4都県の消費者相談窓口に寄せられていたという。この会社、数年前から消費者センター等に相談が多数寄せられ、我々の業界では名の知られた会社でした。でも現在もまだ同様の商法で生き残っていたとは驚きです。皆さんもくれぐれも怪しい業者に騙されないようにしましょう。お金をぼった繰られるだけでなく、大事な家を傷つけられる可能性もありますから。本当に怖いです。