耐震診断や構造設計を行っていて、よく聞かれるのが「地震で倒れないか?」という質問である。地震研究はまだまだ未知な部分が多い上、規模もタイプも様々な地震が存在するので、この質問に本当の意味で答えられる人はいないだろう。耐震等級というのがあるが、これは数百年に一度に発生する地震(東京では震度6から7程度)の1.25倍の地震力に対し、倒壊、崩壊せず、数十年に一度発生する地震(東京では震度5強程度)の1.25倍の地震力に対して損傷しないというのが耐震等級2だそうである(1.5倍だと最上級の等級3)
 しかし、これ以上の地震が起こらないとも限らないし、これ以下でも壊れる可能性はある。
 だからといって、ただ強く作ればいいというものではない。予算があるし、窓など生活を快適にするためには耐震という要素以外にも大切なものはたくさんあるからだ。
 今日、耐震診断の報告に伺ったお客様は、そのあたりのことは十分に理解しているのですが、それでも地震が不安なようです。いろいろと真剣に質問されました。こちらも一生懸命答えてはいるのですが、難しい問題ばかりで大変でした。少ない金額でより効果のある耐震補強を!と言葉では簡単なのですが、実際はかなり難しいです。しかし最低限、人命を守る補強をキチンと行いたいです。ですから日々研究です。

投稿者 しろなまず

建築設計やっています。スマホやソフトウェアが好きです。