構造モデラー+NBUS7 特設ページ

このページは、株式会社構造システムの新しい構造計算ソフト「構造モデラー+NBUS7」のしろなまず個人の見解と情報を期間限定で公開するサイトです。ソフト情報は構造システムのホームページをご覧ください(2021年8月13日更新)。

株式会社構造システムの一貫構造計算ソフトのBUS-6の後継構造計算ソフトで、建物形状を入力する新ツールである「構造モデラー」と一貫構造計算システムの「NBUS7」で構成された新しい構造計算ソフトです。それぞれが独立していますが、同一製品として販売されます。構造モデラーは将来、他の構造計算ソフトの入力ツールにもなるようで、同じ操作性が期待できます。2021年夏現在、そのようなソフトはまだ発表されていません。

・なにが新しい?

NBUS7自体は、2020年1月段階で特に新しい概念はありません。良くも悪くもBUSの新バージョンです。SS3とSS7との関係に似ています。ただし、SS3とBUS-6のリリース時期の違いから、SS3とSS7との差ほど機能的なインパクトはありません。(それほどの差があるほどリリース年月日に差が広くない)。

SS7は、SS3とユーザーインターフェイスは大きく変わらないですが、BUS-6と構造モデラーは大きく変わっています。なので旧ユーザーにはSS7のほうが優しい感じです。しかし新規で構造計算を始める方には、マイクロソフトのオフィスと同様のインターフェイスで設計が新しいので構造モデラーのほうが好ましく思う人も多いかもしれません。

ただ、肝心の部分としてBUS-6の完成度が非常に高いので、差が感じられず、未完成の部分が目立つのが気になります。果たしてBUS-6の商品完成度が高いこの時期に、未完成でリリースする必要性があったのか?は疑問です。

・BUS6との違い

BUS-6の上位互換性があり(完全ではないと思います)、BUS-6の対話入力形式データ(拡張子BEI64)、テキスト入力形式データ(拡張子BEE)を読み込むことができます。逆はできません。またBUS-6の形式で保存もできません。最終的な計算内容がそれほど変わらないと予想されることから、入力形状の柔軟さが最大の違いになりそうです。また現時点では、RC造、S造、CFT造対応で、SRC造対応は後日になるようです。リリース時点では、豊富なBUS-6のオプションや他社ユーティリティなどは利用できないケースがほとんどです。基礎は2021年春にリリースされましたが、全体的に動きは遅いです。そのうち対応版がリリースされていくと思いますが、現時点だとBUS-6のほうが便利なことが多く残っていると思います。

・他社の構造計算ソフトとの違いは?

BUS-6の新バージョン的な位置づけながら、NBUS7という名前からわかるように、一から設計し直した新しいバージョンです。入力部分と計算部分を分けた設計になっているのは、Ascalなどでも同じです。複雑な形状をモデル化しやすいのも同様です。しかしながら後発の利をいかし、より直感的に入力しやすいUIになっています。2020年現在、一から設計し直したという割に、他社に比べてのアドバンテージがそれほど大きくないのも事実です。

・構造モデラーとは?

BIM時代にあった直感的な入力ソフトであり、ウィンドウは作業に合わせて自由にレイアウトが可能です。3DCADやBIMライクであり、将来的にはいろいろな構造を入力出来る、構造システム社のフロントソフト的な存在になると思われます。カタログにも木造が明記されており、WOOD-STやWALLなども将来のバージョンは構造モデラーで入力できるようになるかもしれません。逆に今までBUSと一緒に育ってきたソフトが全て構造モデラーで入力できるようになるとは限らないです。耐震診断ソフトなど、構造モデラーに移植されるのか?は疑問です。

・構造モデラー+基礎

・2021年春に、「構造モデラー+基礎」がようやく発売になりました。やっとという感じはありますが、実はフル機能ではなくバージョン名も付いていません。なんと基礎スラブの計算までとなっています(・・・)。Ver1がつく正規のバージョンは2022年以降に発売予定のようで、そこでようやく杭・地盤の計算ができるようになります。しかもそのときにはオプションなのに年会費がかかるようになっています(Ver1になるまではかかりません)。そもそも基礎が発売になっていないので売れていないという現実をどう考えているんでしょうかねぇ・・・。金額はともかく一刻も早く正規の基礎計算ソフトをリリースしてほしいものです。

ここから先は過去記事です予想が当たっているか?どうか?恥を残しておきます。

・しろなまずの予想とNBUS7

新型BUSの噂は入ってきていましたが、どんなソフトかは情報がありませんでした。ただし過去のロードマップに構造BIMの言葉があったので、構造計算用に構造図・構造計算データを作成する3次元入力システムは必ず投入してくると思っていました。iその点では当たっていました。予想ではi-ARMと連携し入力チェックが連動できると思っていましたし、構造BIMから配筋図やリストなどがダイレクトに出力出来たり構造図CADが内包されていると思っていました。ミスがないように図面連動ができるシステムになると。しかしCAD連携は図面から読み取るに留まり、出力系はほとんど連携が見られませんでした。

また新設計なので、過去の個別計算、一貫計算などという名前が死語になる新しい計算系になると思っていました。2次部材は当然計算ソフト内に内包され、部材指定で計算できるようなるとか、荷重エディタを構造BIMに内包され、自動で荷重が算出されるシステムになるとか、仮定断面が早期にチェック出来るようなファスト機能などは搭載してくると思いましたが、その辺りは過去の構造計算屋さんなら不要といわんばかりに保守的に仕上げてきています。現在の構造技術者が戸惑うことなく移行できるわけだが、これからの世代に訴求力があるかは?若干疑問です。設計が新しいうえ、上記指摘事項は後から取り付けても問題ないものばかりなので、今後進化していくと嬉しいですね。