では欠点はないのでしょうか?
まず導入のコストとランニングコストです。
導入コストは、各社導入用に安価なラインナップを用意していますから、下手な3DCADより安いものがあります。ただし年会費、月会費制を引いているところが多いです。進歩が早い製品ですから有償サポートも含め費用を考えておかねばなりません。特に複数人の導入は頭が痛い問題です。
次に習熟するための時間です。2DCADとはあらゆる意味で異なっていますので、講習などに積極的に参加しても、なかなかマスターできません。使えないために無用の長物になってしまう可能性もあります。
周囲に使っている人が少ないのも問題です。JWWは周囲に使っている人も多いですし、ネットにも情報があふれています。書籍も出ています。BIMは小さな設計事務所には情報が圧倒的に不足しています。
あと、BIMは万能ではないこと。理屈では3Dモデルをパソコン内に建ててしまうので、平面図、立面図、断面図など簡単にできてしまうはずなのですが、実際は手直しも必要です。そんなことを考えている間に2DCADで図面は完成してしまうよ!と考える人も多いでしょう。
上記の点を考えると、それなりの覚悟を持って取り組む必要があると思います。
しろなまずのお勧め
既存の2DCADは、BIM導入後も必須と考えると、完全移行と考えないほうが無難です。JWWユーザーならJWWと親和性の高いGLOOBEがお勧めです。若干高いですが導入版ではなくフルバージョンで提供してくれますし、日本の設計環境にあった設計になっていますので、迷わず使う事ができると思います。レンタルパックを使えば年間15万円強で使える(初期費用はなし)ので費用的にも易しいですし、もし使えない!場合も1年の出費で済みます。木造が弱いのが欠点なのですが、非木が多いなら間違いなくお勧めです。
AutoCAD LEを利用の方は、Revit LTでしょう。始めからフルバージョンでもいいのですが高いですし慣れるまではLTという考えが無難です。
DRA-CAD LEを利用の方は、Revit LTか、ARCHICAD。小さい設計事務所にはARCHICADのほうが使いやすいという方が多いです。
また飛び道具的ですが、現在の状況を見定められない!ということであれば、Sketchupという選択肢もあります。BIMとは言いがたいですが、IFCにも対応し、BIMソフトとの親和性も高く、価格も10万円を切るので、いきなりBIMというのが抵抗ある方も、2DCAD+Sketchupという使い方で様子を見るというのもいいでしょう。手軽に魅力的なパースを書けるようになる、というプラス要素は業務にとって無駄にはならないはずです。