今から始めるwallstat

木造住宅倒壊解析ソフトウェアwallstatは、京都大学生存圏研究所 生活圏構造機能分野 准教授の中川貴文氏(所属はホームページより。2019年3月28日現在)開発です。無料で公開されていることから、利用しようとする動きは広いです。

ただし手軽にモデルを作れる環境が無かったため、挑戦しても挫折した方が多いと思います。近年、CADライクに入力出来る機能を実装したり、建築設計のソフトや構造計算ソフトで連携できるようになってきたので、一般の設計者でも利用しやすい環境が整ってきました。ここでは導入時の注意点など現時点で使ってきた感想等も含めて書いていきます。

上記動画は、Ver4.1で作成。アニメーションのグラデーションがきれいになった。また地震波のグラフも表示されるようになりました。

 

導入方法

wallstatのホームページのダウンロードのページよりダウンロードします。通常最新版と旧版があります。注意事項にもありますが、無料で使える代わりにこのソフトを利用してPC等に損害が生じても一切責任は負わないそうです。自己責任でインストールしましょう。個人的には最新版より旧版を使っていった方が安定度などの面でもいいかと。

ダウンロードしたらZIPファイルを解凍し任意のフォルダに展開します。インストール作業などは特に必要ないので、デスクトップなどにショートカットをおいておきましょう。

まずstudioフォルダ内の「wallstat_studioの使い方.pdf」に目を通しましょう。wallstat studioというのは、CADライクにwallstatのモデルを入力出来るソフトです。市販のCADほどの機能は搭載していませんが、簡単に図面を書いて解析モデルを作れる程度の機能はあります。ただし重量など間違えるとまったく間違った振動モデルができあがったりするので、ある程度の構造の知識が必要ですし、この使い方を熟読することをお勧めします。ここにはCEDXM読み込み機能なども書いていますので、CEDXMを出力出来るソフトを使っている人はこれを利用すると入力が簡略化できるかもしれませんので、読んでみてください。

要注意事項

・計算時間が長いです。簡単な木造2階建てで、私が最新バージョン(Ver3.3.9)を利用して計算したら約15分かかりました。

このクラスです(梁など入力前)

私のパソコンもCore i5-7500 3.4GHzと決して遅くないのですが、こんなものです。

十分な時間を確保するか、別パソコンを用意して計算させ、実務に支障がでないようにしましょう。

・エラーチェックなどはされているようですが、実現不可能なモデルでも計算できてしまうことがあります。これはモデル化するときに、入力者が注意すれば気がつくはずなのですが。特に3Dにしたとき、耐力要素の上下に梁が抜けていないか?など初歩的なものを目視で十分注意してください。計算が長いので計算後に間違えに気付くとショックがでかいだけでなく、時間の無駄です。




wallstatに転送できると思われるソフト一覧

CEDXM変換出来るソフト

例)kizukuriなど

独自でコンバーターなどを付けているソフト

構造計算ソフト系

・STRDESIGN(標準搭載のコンバーターで構造計算の荷重も転送できる)

耐震診断ソフト系

・耐震チェック(有料オプションの倒壊解析Converterで可能)

住宅専用CAD系

・アーキトレンドZ(構造図オプションのCEDXM書き出しで可能)

・Walk in home Plus(有料オプション)