壁式鉄筋コンクリート造建物の耐震診断ソフト「DOC-WL」で混構造耐震診断

耐震診断を受けているとたまに出てくるのが壁式の案件。個人的には間取りに無理がなければ、多少古くても大丈夫だろうな~と思っていました。だいたい団地っぽい建物ばかりでしたから。しかし最近の相談は多岐にわたり、個人住宅や混構造も増えてきました。

そこで、HOUSE-ST1に対してのHOUSE-WLのように、HOUSE-DOCに対してのソフトを探している人がいるようです。構造システムではDOC-WLが該当します。

操作性などは、元になっているWALL-1やHOUSE-WLとほぼ同じ。両者を持っている人は操作に迷うことは無さそうですし、持っていない人は見た目でどっちか判断できないと思います。価格的にも導入しても良いかな~とは思うのですが注意が必要です。

まず、連携機能は特に明記されていないこと。WALL-1のデータを読み込めると言うことは、HOUSE-ST1の荷重をWALL-1経由で持ってこられることで、木造荷重分を持ってこられるのですが、HOUSE-DOCとは互換性がないこと。また似ているのに、HOUSE-STから直接DOC-WLには荷重をもってこられないこと(メニューで確認しました)。

そして小規模の建物はリファレンス的な構造が少なく、難易度が高いこと。特に形状が複雑な物が多い個人住宅は、個人的に無理と思ってしまう建物が多く存在しています。ソフトがあれば、補助にはなりますが補助にならないほど・・・ということも多そうです。

ただ混構造や壁式の問い合わせは近年激増しているので、お手すきな方はチャレンジしてみてくださいな。私はしばらく時間が足りなそうで無理です・・・。

ご購入は、なまあずショップ楽天市場店にて♪

ネットで構造計算の主流が木造から他へ

私が構造計算を始めた頃は、まだ耐震等級などの需要もなく、せいぜい都会の準耐火の木造3階建てくらいしか構造計算の需要はなかった。なので一般的な構造屋さんは木造には興味が無く(今になるとよくわかるが)、木造構造計算をする人を探すのが難しい時代でした。

そんなこともあり、インターネットで構造計算を受発注できるサイトは、構造トレインNZXを始め流行しました。特に木造は雨後の竹の子のようにネット上に登場しました。ちょっと力がある構造屋はRC造などもネットを使って受注に成功し、ネットを使って一気に拡大化した事務所もありました。

その時代に比べ今は、耐震偽装事件後に構造屋さんが増えたことなどもあり、ネット構造事務所は衰退しました。もちろんうまく行っているところもありますが、比較的固定化してきた感じがします。そしてプレカット屋や、ある程度人数を揃えた組織的な構造設計事務所が木造をやるようになったため、いつも構造計算のある木造をやっていない設計者も比較的気軽に注文先を探せるようになりました。

しかし木造でも混構造や特殊な構造のものは、探し求めている意匠設計者等も多いです。また木造の構造設計者の中でも地下室や混構造の場合、上部は自分でやって、地下室や混構造の下部であるRC造やS造は外注、という方も多いです。

よって、今から構造計算に参入する場合は、木造だけでなく、RC造やS造など別の構造ができたほうが良いです。木造との親和性でいえば、地下室、地下車庫の相性がいいので、壁式RC造と組み合わせると比較的仕事が取りやすいかと思います。

そうなると、複数のソフトを組み合わせることが必要です。ある程度一貫でやりたい場合はメーカーを揃えた方が効率的で、HOUSE-ST1とHOUSE-WLの組み合わせなどが好まれてきました。ただHOUSE-WLは二次部材ソフトがないので、KT-SUBなどを購入するかどうかは迷うところです。ただサポートも含め統一できますし、設計も効率的なので一番お勧めです。

安価に済ますには、壁式鉄筋コンクリート造のソフトで最安と思われるビルディング・エディタのプロフェッショナル版をお勧めします。このソフトは、他社の壁式に比べれば機能が少ないですが習得しやすいですし、地下室や木造が上に乗っている混構造なら十分対応できます。またS造やRCラーメンにも対応できるので、初期投資を大幅に抑えて様々な構造に対応できます。

HOUSE-WL Ver2.0.0.29

HOUSE-WLのアップデートです。若干大きめな変更がありました。使い勝手に影響する部分です。

HOUSE-WLは壁式RC造のソフトとしては使いやすいのですが、他のHOUSEシリーズのような「手軽さ」はありません。あくまで構造計算ソフトの正常進化の中での使いやすさです。そろそろ他のHOUSEシリーズのように画期的な手軽さを実現する方向に行って欲しいな、と思います。