HOUSE-WLとHOUSE-ST1で混構造の構造計算のお手伝い

まあヒマだったので友人のこの連携を手伝うことに。

HOUSE-ST1の仕様がいろいろ駄目駄目なので、WL側である程度合わせる必要があるのですが、慣れてしまえば簡単です。

まずHOUSE-ST1で混構造として入力、計算モデルを作成します。建物概要で1階をRC造にすれば、1階RC,23階木造のような混構造が可能です。

上記は1階RC、2,3階RCです。もちろん地下室+地上2階もできます。

ちなみにこの組み合わせで混構造ならではの注意点は、アンカーボルトの計算が・・・の件。このようなことは仕様を確認すればわかることです。メーカーHPのFAQにも書かれています。

この組み合わせで優れているのは、HOUSE-ST1側では混構造の計算のためのちょっとの工夫は必要かもしれませんが、ほとんどがHOUSE-WL側で操作を完了出来る点です。HOUSE-ST1の作業フォルダを指定するだけで(通常はいりません)、HOUSE-WLのほうから読み込んでくれます。それにしてもサンプルのあるフォルダと保存フォルダが違うのはどうにかして欲しい。今回もそこから質問がありました(汗)。

HOUSE-WLで1階部分を入力し(画面は適当なサンプルです)、コマンドでHOUSE-ST1のデータを読み込むようにしているところ。HOUSE-ST1側で何かエクスポートする必要がないのが便利です。その代わり直前の計算中の・・・という条件はつきます。そのため読み込むファイル名を確認できます。指定はできません・・・。

読み込み対象ファイルというのが出てきます。恐らく作業用フォルダで直前の作業や計算を読み取ってきているのだと思います。

注意事項は、原点が一緒なら問題ないのですが、HOUSE-ST1は庇を入力しているのでそのままでは原点があわないこと。上の例では80づつずれているので、このような指定にします。

このように、柱の位置に軸力が落ちてきます。ちなみに読み直すと自動で新しいデータに更新できるので、最初に適当な計算結果で試し、HOUSE-ST1の計算が固まり次第再び転送する・・・という使い方ができます。意外と便利で手軽です。

もっとも課題もあり、果たしてそのまま読み込むだけで良いのか?(今回も最終的に数字を触らなければならなかったです)とか上記のように梁もなくスラブだけで・・・などとやっても見た目上計算が出来てしまうことなど。またHOUSE-WLはBUSなどと同様2次部材構造計算ソフトを含有していないので、通常はKT-SUBなどがないと計算が面倒なことなどもあります。

混構造の構造計算要望は減ってきていますが、それ以上に混構造の構造屋さんが減ってきているような気がします。意外とファジーな部分もあるので、今まで確認通っていた手法が通らなくなったりもします。きちんと理論立てて計算したいものです。

1000㎡の木造児童福祉施設の耐震診断に挑む

久々に1000㎡クラスの児童福祉施設の耐震診断を行っている。木造だが都内でまだ、そんな規模の古い施設が残っているのは驚きです。

さて、図面と下見を行ったときに、どのような診断を行うか?議論になったのだが、木造2階建てで、90㎡の広間もあるということで、さすがに住宅の診断ソフトに入力しただけ・・・ではまずいということで、以下の診断方針とした

・基本的な方針は精密診断法1に準拠
これはずばり使える部材、計算できるデータが揃っているから。精密2は魅力だが、使える部材に制約が多いので。軒高などは住宅レベルなので、精密診断法1が適用できると判断した。使用ソフトは、巨大な面積を効率的に入力・チェックできることからHOUSE-DOCとした。もうすぐ建防協の評価の更新だが提出までに間に合うとのこと。それにしてもHOUSE-DOCも機能不足は否めないし進化する可能性も低いので、このような診断で利用するのは今回でラストかな?ちなみに、耐震チェックは巨大な建物に向かない、達人診断は魅力的だが、画面の拡大縮小などよく使うコマンドの操作性が低いことから巨大な建物ではストレスが溜まるということで今回は除外した。

・荷重は構造計算ソフトで計算
安心精密診断のように荷重をコントロールできるソフトはあるので、それを使えばいいのだが、今回は梁のスパンが7mクラスも出てきて、柱の負担も大きいので軸力を計算できるだけでなく、簡単な断面算定も行いたいので、別途構造計算ソフトで計算することとした。使用ソフトは、kizukuriとした。HOUSE-ST1を利用したかったのだが、HOUSE-DOCとデータの互換性がないこと、耐震診断でよく使う部分計算などがしにくいこと、HOUSE-DOCにもっていくデータを作りにくい(計算書をそのまま流用できない)ことから、今までの実績も考慮しての判断です。WD3warpなどでも荷重作成は容易だから、もっている人はチャレンジしてみるといいかもしれません。


予想通りの梁の検定結果。120×450でこんな数字がでる計画をしていれば、何かしらの問題が発生しても仕方が無い。そのしわ寄せがどうでるか?診断者は慎重に調査しなければなりません。

・部分計算は、負担が大きいところを中心に計算
通常は部材計算を行わないのだが、今回は沈下しているポイントがあり、そこは明らかに荷重が集中している箇所だったので、kizukuriで長期軸力を出したあと、負担が大きそうな部分を検定計算することとする。

すごい軸力!!こんなに木造の一部の柱に軸力がかかる計画はどうかと・・・(軸力。単位はkN)

・基礎などはコア抜き、超音波
一応住宅でないし、構造図がないので、これらは実施するものとする。

こんな感じでした。いつもと同じ方法を常に踏襲しないで、特殊な物件は使う道具・ソフトも含めて計画する必要があります。今回も空調服を始め、LED投光器など新装備を多く投入しました。暑かったですからね。現地調査は暑さ対策を十分にして、休憩なども多めに取りました。それでも調査日の翌日はだるかったですが・・・。調査は二日間。一日目にとんでもない発見をしてしまったので、二日目の調査を延期し準備中です。それにしても小動物怖い・・・。

HOUSE-ST1の梁の検討でZとIとAを考える

KIZUKURIだと、梁の断面を計算するときに、Z(断面係数)とI(断面二次モーメント)とA(断面積)の低減は初期設定で一括に設定されます。これは便利な反面、細かな計算が不可能です。算定梁の項目で切り欠きを指定することができますが、各項目ごとに細かくコントロールすることは難しいです。まあそこまで細かく考えなくてもよいケースが多いのですが、普通の設計じゃないものは、ここが重要だったりします。特に計算値に近い断面で設計している場合は深刻です。私のところでは断面が十分に余裕がある設計を求められているので、ほとんど重要じゃないのですが(むしろ大きい??)。

HOUSE-ST1の場合、梁の入力段階でZ、A、Iをパーセントで指定できます。なんだかkizukuriに似ていますが・・・本来ならグレー本に書いてあるような書式のほうが設定しやすいと思います(アーキトレンドZはグレー本っぽい設定画面です)

これなら、細かくコントロールできます。もっとも一本一本やるのは難しいので、各梁グループごとに参照コマンドを駆使しながら入力していくという工夫は必要です。大断面どうしの木組みが多い場合はかなり有効です。もっとも私も上図のようにほとんどを0.7ずつにデフォしていて、それを外れるシーンのみ、一貫計算終了後に調整してエラーが出たら断面を増やす・・・という感じですが(汗)。HOUSE-ST1にはOKとする検定比という項目が断面計算条件の一番下に用意されており、これを調整することによって、あとでエラーがでることを未然に防いでいます。完全ではないですが、最後にあまり断面を調整したくないので・・・。

できればアーキトレンド構造計算レベルに最低でもやっていただけると助かるのですが、これはこれで初期設定でよいのかとか、計算値を信じすぎてはまるケースもあるので、何が良いのか一概には言えません・・・。不安な場合はいちいち計算してみて、その経験則をエクセルかなんかにまとめて、ミスなく、過大過小を防ぐ・・・というのが今のところの私の考えです・・・。

HOUSE-ST1乗換キャンペーン

 

構造システムの木造構造計算ソフトHOUSE-ST1。最近目立った動きはありませんが(というより昨年春の耐力壁の倍率の告示は早く対応してくれ)5月10日から9月20日に乗換キャンペーンを実施します。(公式ホームページのお知らせはこちら)

他社製の木造構造計算が気に入らないな、とかちょっと・・・というとき、乗換を検討すると思うのですが、構造計算ソフトは高額ですので、ぱっぱと乗り移れないものです(※マニアは除く)。なので、メーカーも乗換価格を設定したりして乗り換えやすいようにします。今回の施策もそういうことなんでしょう。

ホームページを見ると、KIZUKURI、STRDESIGN、構造EX、木三郎、ARCHITRENDなど早々たるメンバーが乗り換え対象として具体的に書かれています。これらから乗換の理由があるとすれば

全ソフト→年会費がいらなくなる

KIZUKURI→斜め壁や品確法の対応に不満を覚える方

STRDESIGN→操作が難しくて挫折した方

ARCHITREND→意匠運用をやめて遣わなくなった方

などでしょうか?25%OFFは魅力ですね。HOUSE-ST1は初心者向けのユーザーインターフェイスが魅力です。バージョンを重ねる毎に使い勝手はそのままに本格派に変貌を遂げています。なまあずショップ楽天市場店もキャンペーン対象ショップですので、是非ご利用ください。ちなみに他社対象商品の正規ユーザーを対象とし、注文の際に利用契約書やシリアル番号などユーザー登録が確認できる書類のコピーの提出が必要です。なまあずショップ楽天市場店でご購入の方は購入手続き後、メールが来ますのでそれを確認のうえ書類のコピーを提出すればOKです。

MathJAX とJavaScriptで階段ササラの計算

サンプル作ってみました。
WEBプログラミング(構造トレインNZX) の中のSCRIPT1です。

これは、階段の重量やスパン等を入れれば数式入りの計算結果(曲げ、たわみ)が出る仕様になっています。曲げなどは分数表示ができると俄然見やすくなりますね。手計算で検算できるので便利です。

JavaScriptで文字列を強引に連結させてinnerHTMLで書き出します。中央に表示される仕様も左揃えに設定しました。整形は古典的な方法(・・・)で作っています。実務用には階段荷重を計算するスクリプトとZとIも鉄骨断面から自動計算できるスクリプトをつなげて完成です。その2つは、段板の計算に転送できるので、これでササラと段板計算が完成します。

HOUSE-ST1へ追加荷重算出までできれば、室内の鉄骨階段及び屋外階段込みでの計算が楽になります。

CANVASで数式を書き出すのが楽か?テキスト整形でLaTeX仕様で書き出すのが楽かは、短いものならMathJAXを利用してLaTeX・・・がスマートだと思います。

もう少し完成度を高めてみます。

HOUSE-ST1 Ver7.5.1.2

木造構造計算ソフトHOUSE-ST1がアップデートされています。

昨春の壁倍率の告示の折り込みかな?と思ったら今回も違いました。出力年が和暦だったので西暦になった(令和ではない)そうです。機能的に追加はなく主にバグフィックス・改良となっています。

 

HOUSE-ST1のデータをwallstatへ転送出来るのか?

そのような質問を最近はよく受けます。たぶん私がHOUSE-ST1使いかつwallstat使いだからでしょう。メーカーさんの動きが悪いので、正式対応はするとしてもまだまだ先だと思います。現時点では無理だと、お応えしています。

実は、HOUSE-ST1のデータはテキストデータではないのでメーカーの人間でなければ、コンバーターなどを作ることはできないのですが、WOOD-STへの転送データはテキストなのでテキスト整形が得意なプログラマなら「頑張れば」コンバーターは作れます。ただ私も解析してみたのですが、wallstatのデータ形式が意外と特殊で変換が面倒なのです。素直にメーカーが対応してくれるようにお願いして待つのが正解かと。

 

HOUSE-ST1からWOOD-STへの転送の改良

昨年の12月25日のアップデートで、HOUSE-ST1からWOOD-STへの転送が最新のWOOD-ST Ver1.5に対応しました。先日初めて新バージョンでの転送にチャレンジしました。基礎もうまく転送できました。3D表示が??でしたが。見つけ面積の表示の不具合はHOUSE-ST1から転送しても同じ。WOOD-STで直して貰うしか無さそうです。基礎パラメーターはHOUSE-ST1のほうがグラフィカルでやりやすいはずなのですが、実際は慣れが必要で正直直して欲しいのですが、その辺りは放置されています(まあ慣れればどうってことないのですが)。WOOD-STは数値だけで入力するので更にわかりにくいです。HOUSE-ST1があるなら、計算結果を転送して比較してみるといいと思います(一回やればだいたいわかります)。

k-DBの関係で、部材は転送出来てもそのままでは使えません。告示1899だから使える材料も限定されます(昔の大断面集成材からきていますから・・・)。まあ集成材を使っている限りは、k-DBに登録されているリストを使えるので、指定できて簡単といえば簡単なんですが一手間必要です。面材壁は大分楽になりましたね。WOOD-STで壁倍率が指定できるようになったのですが、転送では耐力のみです。簡単な変換なので戸惑うことはないのですが、

初めてやる方は、PDFマニュアル 操作・概要編の3.7.2 WOOD-ST転送用ファイルの書き出しを熟読してからやったほうがいいです。正直、即戦力というより、入力の省力化が目的なので、転送してから直す項目が多いです。そのポイントは予め簡単な物件を転送して自分なりにまとめておくといいでしょう。

i-ARM Ver2で耐震リフォーム図面

3Dで気軽に間取り、パースを描くのは3Dマイホームデザイナーのようなソフト、モデリングで簡単に作るのはSketchUpのような3Dソフトがあります。しかし実務で小さい建物の指示図面などを作れる気軽な3D建築ソフトって皆無でした。意外にもDRA-CADの通常版は3Dはできますが、どちらかというと建築パース作成を重視しており、建築的手法で作成するのはいいのですが、意外と使いにくかったです。

では同社のi-ARMはどうか?本来はBIMとして開発を始めたが紆余曲折して法検討ソフトになってきました。そのためユーザーからは何のソフトなんだ、とわかりにくくなっています。事実あまり売れていないです。

では、当初のような本格BIMでなく、次に目指したシンプルBIMとしてのモデリング機能は??と思い、最新のVer2を試用しました。

建築系のBIMから起因しているので、階の区別、高さの設定なども出来るので、建築的には使いやすいです。部屋を入れて・・・の手法もわかりやすいです。耐震リフォームに使えるのは、柱や梁や土台を入れる必要がありますが、非常に短時間で入力出来ます。特筆すべきは3Dで文字を簡単に入力できること。方向が変わってもメモや寸法は見やすく回転するので、便利です。もっとも固定できる機能も欲しいです。

簡単に構造用合板の施工を書いてみました。面上に文字を入れられるので、仕様や金物を簡単に入れられます。また寸法も3Dで入れられるので便利です。これは平面図とはリンクしていないので、指示書として分けられるのがいいですね。

ちなみに回転して裏から見ても、こんな感じで読めるのです!!角度を変えてもある程度追従してくれるのは便利ですね!!

こういった機能を使うと、簡単に施工スケッチが描けますし、納まり検討も簡単にできます。HOUSE-DOCHOUSE-ST1から簡単に部材を転送できるといいのですが。

立面などでも、このように記載ができますので、2Dよりよっぽど楽ですね。作図品質よりもスピーディーに指示書を作れるのがいいですね。

軽快な操作感はVer1に比べ若干落ちました。入力はいいのですが、プロパティがらみが落ちていますね。それでも他社に比べれば明らかに軽快。なんとなくですが、SketchUPの建築版と考えて、気軽にこのような3Dメモが描けるソフトとして、この部分だけを独立して安価にリリースするのも手かもしれません。

基本部分を分離して、検討機能をそれぞれオプションとして追加できると面白いかもしれません。これなら省エネ、構造を加えたりも楽ですからね。恐らく構造設計でも構造スケッチに使えますが、その方々は現在付いている法規や検討ツールはまったく不要となります。またそれらも古くからのツールの転用に近い形で実装されているので、あまり使い勝手が良くないのも事実です(他社に比べるものがないので、あまり気になりませんが)。

構造システム・建築ピボットはたくさんのソフトウェアのラインナップを持っている割に、あまり連携ができていないのも事実。そのためのハブツールになるんじゃないかな?と思ってi-ARMを期待していましたが、その方向は見えているものの、うまくいっているとは言いがたいです。

モデリングを中心に試用を続けていこうと思います。