WOOD-ST Ver1.5仕様公開

本日、木造構造計算ソフトのWOOD-STのVer1.5の公開予定とその内容が発表になりました。既存ユーザーは無料アップデートです。もっともこのような進化過程のソフトは年会費制のほうがしっくりくると思いますね。HOUSE-4号みたいにアップデートもしないのに年会費制だったりするソフトもあるので、??ですが。そのうち年会費になるのでしょうか??

さて、その内容は発売時に積み残したものと、ユーザーからの要望をかなり反映してくれています。構造システムも以前とかなり変わってきていますね。非常に実務よりの内容になっております。HOUSE-ST1HOUSE-DOCもこのような方向性になってくれればいいのですが・・・。

まず、基礎の計算を搭載するようです。スラブはBUS-基礎構造??となっていますが、そんなに面倒な話なのでしょうか??地中梁の計算が一体になったので、かなりスピーディーに計算書を作成できそうです。

4階建て以上への対応も面白い方法で対応しています。まあ確認機関が??というのはこの手のソフトの仕方がない部分ですが、そもそもがアレなので、設計者次第ということになりそうです。

うれしいのが、面材壁のせん断剛性や耐力設定が簡単にできるようなったこと。そして壁通しも可能になり、入力手間が著しく減ります。私はこの機能が搭載されただけで、十分です(嬉し涙)。

BUS-6やWALL-1へ転送できるようになり、HOUSE-ST1と同様に連携が楽になりました。まだまだ細かい部分ではHOUSE-ST1に追いついていない部分もありますが、これでかなり近づいたといえます。またFAP-3に転送できます。個人的には強く要望していた機能なので、さっそく対応してくれた嬉しい限りです。たぶん他の方も要望してくれていたんだな、と思います。

肝心のアップデートは、2018年秋とかなりざっくりです(・・・)。初秋ならうれしいな~とか、できた部分から搭載してくれると・・・とか贅沢なことはいわず静かに待っております!!

HOUSE-ST1 Ver7.5.0.6

木造構造計算ソフトのHOUSE-ST1がアップデートされています。軽微なバグフィックスのほか、マニュアル・ヘルプ等も更新されたようです。

最近はKIZUKURIとHOUSE-ST1を使う時間は半々くらいになっていますが、やはり入力画面の見上げか見下げか?は神経を使いますね。ここだけは長年KIZUKURIを使っていたのでHOUSE-ST1ではまだうっかり、ということが多いです。そもそもKIZUKURIの方法のほうが癖があり、慣れるの大変だったな~と思い出します。HOUSE-ST1も下階柱をもう少し目立たせる方法があれば、梁掛けのとき間違えないのにな~とも思います。

なまあずショップ楽天市場店では、昔好評だったHOUSE-ST1のセットを再開することになりました。「HOUSE-ST1 Ver7.5なまあずショップ限定セット」です。まあスペシャルセットとほぼ同等です。なまあずステーションからPDF手引きやサンプル、動画マニュアル、ワンポイントテクニックなどダウンロード出来ます。またHOUSE-ST1を使う上で便利なサブツール「もくツール」(要Excel)もダウンロード出来ます。ちなみにコピーサイトなど出る可能性はありますが、このセットは、なまあずショップ楽天市場店のみの販売になっております。コピーサイトにはくれぐれもご注意ください。

HOUSE-ST1の柱頭柱脚金物の計算

KIZUKURIからHOUSE-ST1に移行してきて戸惑うのは金物の計算とその表記。HOUSE-ST1はいろんな意味でレファレンス的。金物名で計算書も出力してくれないので全部の金物を書き換えたり・・・とか工夫が必要です。そして金物伏図も1階土台、1階柱頭2階柱脚、2階柱頭のように床面を基準に出力されます。便利なような不便なような。そして金物計算も新グレー本に準拠しすぎています。新グレー本の金物計算のところを読んでいると建物の隅柱のβ値は柱頭は通常の数値で良い・・・という部分をそのままプログラムしているので、隅柱のみ柱頭柱脚同一金物になっていません。節約にはなっているのですが最初は戸惑います。HOUSE-ST1は柱頭柱脚の補正機能もありますので算定時にミスすることも少なくて良いですね。

ソフト毎の違いって意外とあります。同じモデルを違うソフトで入力するとアレ??と思うことがよくあります。その場合は手計算で確認するだけでなくマニュアルの再読み込みも重要です。私も隅柱の柱頭の件は気がつきませんでした(汗)。まあ私の場合は柱頭柱脚同一金物が基本ですし、隅角は施行令に従いホールダウン緊結にするので、設計上はあまり変わりませんが。計算数値に従うだけでなく安全性を確保するための工夫は必要ですね。

BS耐力壁検定ツール(ベースセッター)

メーカーから公開されたベースセッター用の計算ツールBS耐力壁検定ツールを使ってみました。

はっきり言ってダウンロードしてすぐ使える、と思っていると大変なので先にダウンロードして一回使って見てください。私も二時間ほどかかってしまいました。

KIZUKURIとHOUSE-ST1で同じサンプルデータを使ってやってみました。このツールが何をやっているか?わからない人はかなり戸惑うはずです。ソフトによって用語も違いますし、数値が出てくるページも違います。

建物角で、HOUSE-ST1で入力したところ。壁倍率の上限の設定に注意してください。事実上制限がないJISモードにするとC0が0.25になるので注意です。また隅角で使う場合は直行方向の耐力壁の柱と兼用できないので、もう一本柱を入れて耐力壁を切る必要があります。HOUSE-ST1は見えにくいので、柱を非表示にして確認します。

KIZUKURIでは見やすいですね。こちらも基本設定で壁倍率の上限を15程度にしておく必要があります。

木造構造計算ソフトのほうはこれでOKです(上記は10.5センチの柱で標準的なパターンの場合です)。

もうお気づきだと思いますが、ベースセッターは集成材一本の「柱」ですが、構造計算ソフトに入れるときは、柱二本入れ、その間に耐力壁を入れるモデル化が必要です。その場合、2本の柱を精算する必要があります。そのためにツールがあります(便利!!)。

ツールはExcelのシートになっています。必要データは自分で構造計算書の中から拾ってこなければなりません。高さ関係は簡単ですが、分担水平力・軸力は通常の構造計算で追加軸力などの精算を経験していないとわかりにくいです(なんとなく表記が誤記っぽいところありますが・・・長期の柱名!)。また1つの建物で使える量も制限があり、それもこのツールでチェック出来ます。

どちらかというとKIZUKURIのほうがわかりやすいかな??確認のための画面もありますし(特に短期を左右切り替えて見ることができるので便利です)。まあ最後は印刷しなければならないので不便といえば不便なので、ユーザーは慣れている??でしょ??HOUSE-ST1は印刷(PDFやDocuWorks)に印刷しなくても全帳票を閲覧できるので便利ですが、解析ツールがないのでちょっと不便です。

このツールでOKなら大丈夫だそうです。気になる方は自分で検算してみましょう。

門型フレームなどでもそうですが、46条壁量計算では加算できないので、四号建物で使う場合は注意が必要です。構造計算できる人はかなり便利なツールになります。450の壁柱なので芯寸法は345mm。ビスダックジャパンのタフボードのタフ455より若干狭くいけます。J耐震開口フレームは片側292.5mmですので更に狭くいけますが、両側に出てきますし、運搬も大変ですし価格も高いです。建物角で使う場合はホールダウンとの干渉を特に気をつけなければなりませんが、慣れれば難しくはないでしょう。

というわけで設計では慣れが必要です。くれぐれもわーい、柱だけで耐力壁できる~なんて安易に考えないように・・・。

 

木造の壁倍率告示の改正と注意点(告示第490号)

3月26日に告示された第490号は、いろいろと波紋がでているようです(詳しくは技術的助言を参考)。同じく改正されたツーバイフォーでは高倍率が可能になったと歓迎の声も聞かれますが、在来の反応はイマイチ。個人的にはこのような高倍率化は壁の強度以外の部分で問題が発生しそうで、慎重にいきたいので、しばらくは静観するつもりです。さっそく国土交通省住宅局建築指導課建築物防災対策室長より、注意喚起がでていることから、現場での知識提供や習熟に一層力をいれなければならないと思います。

ツーバイフォーでは従来最高倍率だった3.5倍が改正で最高4.8倍になります。在来工法では、構造用パーティクルボード、構造用MDFが追加されました。構造用合板についてもくぎの種類間隔等でより高倍率の耐力壁が実現しやすくなりました。また従来限定的過ぎた土台等にくぎで打ち付けた受け材等に耐力壁を施工する際の仕様についても拡充・明記されたことによってバルコニー等で使いやすくなりました。

心配なのは、「可能になったよ~」ということだけ伝わり、納まり、釘、間隔、施工方法などが伝わらないこと。国も告示レベルの公開だけでなく、講習会やテキストの配布など考えて欲しいところです。またKIZUKURIのような壁倍率で入力するソフトは構わないけど、HOUSE-ST1など壁材種を指定して入力できるソフトには早めに反映して欲しいところです。その際納まり図を参照できたり、印刷できたりする機能があれば施工ミスは防げると思います。今回の告示はブログに書こうか?迷いましたが、思った以上に情報発信している人が少ないので唖然としました。時代が確実に変わってきたな~と感じます。

住木センターは最近矢継ぎ早に新着情報を更新していますが、この件の最近の記載はなし。本来はグレー本等の書籍の発行元だからこそ、いち早く情報公開してほしいところですが、ちょっと残念です。その点ツーバイフォー協会はいち早く告示改正について公開してくれたのでありがたかったです。

構造用パーティクルボードはN50@75mm(外周)N50@150(その他)で4.3倍確保です。これくらいあると木造2階建てで外部に筋かいを設けなくて済むので断熱苦労しないでいいので楽です。構造用合板の9mm以上でCN50@75mm(外周)CN50@150(その他)で3.7倍です。手軽に入手できる構造用合板でこの倍率を壁量計算レベルで使えるのはいいですね。CN50である点は注意が必要です。少なくとも外部で筋かいダブルは不要になります。ちなみに構造用パネルは同じピッチでN50で同倍率になっていますが何かの間違えじゃないかと不安になります。

大臣認定を使わず高倍率を設計できるのは、構造計算を行うほうにとっても有り難いです。面倒な認定書をつけなくてすみますし(未だに求める検査機関があるのは残念)。

受け材・床勝ちの件はまた後日。

HOUSE-ST1とWOOD-STの軸レイヤ

構造システムのHOUSEシリーズは見やすい反面、軸を拾う作業が面倒です。梁などの線が太いので仕方がないのですが。それよりも軸をクリックし間違えたりしやすいと感じるのは自分だけでしょうか?屋根の軒の出などを入れると壁のラインと取り間違えますし、壁や梁の始点終点を間違えます。これはkizukuriなどでも似た現象は起こりがちです。

そこで便利に使いたいのが軸レイヤです。軸をレイヤのように管理できるのです。わかりにくいので実例を。ソフトはWOOD-STですが、HOUSE-ST1でも同じです。

(クリックで拡大)

軸レイヤは3つまで指定できます。今回はメインの軸と、サブの軸と屋根の軒の出の軸の3つの軸レイヤを指定しています。それぞれ軸レイヤに指定しておきます。

(クリックで拡大)

通常画面です。レイヤの文字も読めないほど密集していますね。屋根の軒の出も150なので通常表示しておくと面倒です。

では、屋根の軒の出を非表示にしましょう。

(クリックで拡大)

軒の出の軸のラインは水色になり、選択できなくなります。これで軒の出の部分に柱を入れたり梁が伸びたりするミスは激減します。

ではメインだけの表示にしましょう。

(クリックで拡大)

この通り、軸名がスッキリしますね。

うまく使えば入力、チェックが楽になりますよ。また隠した軸の部材は表示されるのも便利です。

HOUSE-ST1やWOOD-STでは軸レイヤをうまく使って効率的に入力・チェックしましょうね!!

HOUSE-ST1 Ver7.5.0.5アップデート

本日アップデートが公開されました。軽微なバグフィックスです。

HOUSE-ST1の下書き図面は便利なのですが、階を移動するとずれたり、まだまだ煮詰め方が足りないようです。だいたい平面図は1,2,3階同じ図枠内に書いていることが多いのだから、各階で違う位置に固定できたりという配慮は出来ると思うのですが・・・。これは立面も同様。便利だからこそ残念に感じます。

WOOD-STを実戦で使ってみて

スキップフロアの木造3階建てが来たので、WOOD-STで解析してみました。画像はその前段階で使ったモデルです。

WOOD-STは各層の間にスキップフロアを入力できるだけでなく解析できるのが画期的です。別に任意形状系で、くくねこやればイイのでしょうけど、上級者でも時間がかかりますし、審査する側も大変です。WOOD-STは形状に規制を持たせることによってうまい落としどころ(とメーカーが考えている)をついているソフトです。

見ての通り、半地下です。右側はユニットバスなんかです。入口付近も若干高基礎です。基礎の解析が出来ないので木造部分だけの解析になります。

モデルを入力するとき、HOUSE-ST1では気がつかなかったのですが、スキップだと2層ずつ同じモデルを入れるので、2Dのインターフェイスだと入力間違いが起こりがちです。WOOD-STでは立体をみながら入力出来るので特に柱の漏れやズレをすぐに発見できるので入力のストレスが少なく短時間で入力できます。チェックも簡単です。

↑ミスの例。3階の柱が下層のみしか入っていない。このようなミスをグラフィカルに見られるのは本当に楽でいいですね。

今回のような狭小住宅の場合、吹き抜け部の設計や、スキップ境の設計が重要になりますが、計算値だけだとわかりにくいが応力図が出るのである程度把握できます。ただ講習会でも出ていましたが、3Dでグラフィカルにわかるようにしたほうが、このソフトにはいいですね。SNAPの機能のようですが搭載してほしいものです。

立体的に見られるからこそ、建物の弱点になりやすそうな箇所を発見できます。これも大きいですね。HOUSE-ST1ではあまり感じなかったメリットです。それにしてもスキップはやっぱり力の流れを読むのが難しい(汗)。

今回確認申請をWOOD-STで出すかどうかはまだ未定です。自社施工物件でお客様の許可があれば、突っ走れるのですが、ただでさえ計画が遅れている物件なので・・・。意匠段階から構造計画に関わっている物件なので、正直確認を下ろすだけならそんなに難しくない形状となっていますし。もっともWOOD-STって都内の狭小向けだな、と思ったけど、この物件も母屋下がりあるし、屋根形状の自由度が低いWOOD-STでは対応が難しいかも、と思うこともあります。なかなか使いどころに悩むソフトかもしれません。

 

HOUSE-ST1 Ver7.5.0.3

年末最後のアップデートを、インフルエンザで見落としていました。

ダイアログの不満はまだ残っているのですが、こればっかりは開発者のセンスですし。出力のソートの問題の改善は地味に嬉しいです。

年末はWOOD-STに話題が集中しましたが、通常の建物はグレー本ベースの構造計算ソフトのほうがわかりやすいので、HOUSE-ST1は今後も期待です。

 

HOUSE-ST1からWOOD-STへの変換に挑戦

今やっているHOUSE-ST1で計算した内容をWOOD-STに転送したときの感想です。詳しくは「HOUSE-ST1とWOOD-STの連携」(なまあずソリューション)に後日記載します。

HOUSE-STでファイルメニューからWOOD-STファイルの書き出しでファイルを書き出し、WOOD-STの転送用ファイルの読み込みで読み込みます。

では、そのまま計算させてみましょう。

はい。予想通り、エラーとワーニングなどのオンパレードです。ただし、このほとんどが、k-DBとHOUSE-ST1のテーブルとの互換性の問題です。HOUSE-ST1はソフト内に樹種やパラメーターを入力して保存する必要がありますが、WOOD-STはk-DBから樹種やパラメーターを引っ張ってくるため、うまくリンクができないのです。そこで梁断面リストとはり断面リストで、使う材種をWOOD-STで再指定します。その際、比重を自動計算にするのをお忘れ無く。今回のモデルでは荷重は問題なく伝わっているようなので、その修正だけで「一応」計算できました。

WOOD-STは、標準だと端部接合部は「剛接合」になります。もちろんそんなことばかりではないので、再指定が必要です。一般的には使う金物(指定されているのはテックワンとプレセッター)を指定すればOKなので簡単です。くれぐれもそのまま行って「NGがなかった!」などと喜ばないこと。

悲しいのが、端部接合部リストの製品説明が貧弱なので余程使い慣れていないと判断が難しいところ。うまい説明が表示されればいいのですが。間違って指定しては元も子もないのでメーカーには改善してほしいところです。

最後に耐力壁です。今回は構造用合板と筋かいを使っている普通の建物です。構造用合板は告示仕様で良ければ自動でせん断耐力と剛性は計算して参入してくれています。検討はこれで良いでしょう。しかし筋かいは倍率からせん断耐力と剛性を出しているので向きが考慮されません。しかも面材で変換されます(倍率変換ですからね・・・)。そこは自分で置き換えて指定します。HOUSE-ST1と異なりブレースの指定と置きかえは簡単なので助かります(面材は面倒)。ここまでかかった時間は30分。簡単な建物ということもあり、エラーもなく無事に計算できました。

計算書を作るためには他にも設定するパラメーターはあるにはあるのですが、普通の建物なら意外と簡単です。今回は変換しましたが、普通は一からWOOD-STで。入力します。もちろんHOUSE-ST1とほとんど一緒なので時間はかかりません。今回は小さな寄宿舎だったので、HOUSE-ST1で計算まで持ち込むのに40分程度でした。WOOD-STだけでも一時間はかからないと思います。KIZUKURIなどのユーザーでもそんなにかからないと思います。両方使っている私から見てもHOUSE-ST1のほうが入力・チェックは楽ですからね。

今回のモデルで計算書はすべて出力すると925ページです。HOUSE-ST1で365ページだったのでやはり計算書の枚数は多いようです。もっともHOUSE-ST1でも不要なページは削りますし、WOOD-STでも同様なので減らせます。部材の検定計算も、HOUSE-ST1で好評の出力数指定ができますので、大幅に減らせます。もっとも二次部材や合板の耐力などは自分で計算しなければなりませんし、基礎も同様なので試行錯誤してできるだけ計算書枚数を減らしたいものです。

ちなみに、計算書表紙に3Dモデルを印字できます(印刷設定にて)。意外とお客様に喜ばれるので使いたい機能です(HOUSE-ST1やHOUSE-DOCではお馴染みの機能ですね)。