CLTの構造計算ソフト、ルート3も登場

昨日、他の構造計算ソフト会社の営業さんから、こんなソフト出たんだよ~と情報が。

【建築業界初!】CLTに特化した構造計算ソフトを開発!

CLTの構造計算ソフトといえば、東京デンコーがルート1のものを出したのが記憶に新しい。ルート1じゃね・・・という落胆した設計者は多かったはず。もっとも最初に出してきたことに感謝ですが・・・。

しかし、今回ライフデザイン・カバヤ株式会社が開発した物は、グラフィカルなユーザーインターフェイス、ルート3まで計算できるという画期的な物だ。更に(財)日本建築センターの工法評定も取得したそうです。ルート1に比べて、設計が柔軟で、壁量を減らせるメリットがあり、CLTの普及が望めそうですね。

日本CLT技術研究所のホームページにあるものとほぼ同じに見えることから(まあ、カバヤが運営しているから当たり前ですが)、相当準備をして開発されたものと思えます。ルート3の解析は、今までMidasなどを使って非常に大変なものだったので、どうやって短期間で開発したのか?興味があります。また一般販売をするのかどうか?も気になりますね。

「CLT2016」CLTパネル工法一貫計算プログラムセミナー

8月3日に東京デンコーの新しい構造計算プログラム「CLT2016」のセミナーが開催されます。詳しくはメーカーに問い合わせください(公式HPにも情報あり)。

あわせてキャンペーンが7月31日まで実施しているようです。

本体価格の割にルート1しか対応していないとか、基礎は別売だったり、と比較的強気な価格設定ですが、年会費は年間3万円と特殊なプログラムの割に安価です。恐らく本体ではルート1だけ対応し、他は出来たらオプションにするのでは??と思ってしまいます。とはいえ、ルート1で、3層100×100スパンなので共同住宅やグループホーム程度だったら意外と設計できてしまうような気がします。以前、kizukuri2x4を改造して計算してみましたが、ルート1である程度の壁が上下揃っていれば、そこそこ設計に自由度があると感じられました。今後CLTならではの設計手法も出てくるでしょうから、楽しみなのは間違いありません。先行投資と思って購入してみてはいかがでしょうか?

CL2016 CLTの構造計算ソフト登場

近年はすっかり木造に強い構造計算ソフトメーカーのイメージが定着した東京デンコーより、CLTのルート1に対応したCLT2016が新発売になります。価格は本体30万円(税抜)。他にオプションの基礎のプログラムがあります。また年間メンテナンス料は3万円(税抜)です。

ルート1対応ということで、出来ることは限られていますが、計算内容は独立耐震壁モデルを採用し汎用性の高いものとなっております。スパンは100×100で、3階建てまで対応です。単純なグループホームなどで威力を発揮しそうです。物足りないと思うのですが、今後拡張していってくれるのであれば、非常に楽しみなソフトとなります。

ホームページでは限定的な情報しか掲載されていません。キャンペーン価格も適用があるみたいですが、非常に期間が短いので詳しくはメーカーにお問い合わせください。

CLTの壁量計算をkizukuri2x4で

厳密に言えば壁量計算ではないのですが、いちいち計算していると面倒なので検算方法を考えてみました。

壁量計算に該当する許容層せん断耐力の計算を下記自作表で行います(クリックで大きくなります)。

20160709152202

簡単なエクセルです。数値はマニュアルより。まず、各通りの同じ耐力の壁ごとにQaを算出し、Qaからkizukuri2x4で計算するために壁倍率からkNへ変換します。kizukrui2x4はかなりの高耐力まで入力できるので好都合なのですが、小数点1位までなので厳密には変換できません。ここでは小数第二位を切り捨てして倍率を出しています。

この倍率をkizukuri2x4に入れてあげます。表で抜けがあっても確実にチェックできますし、入力後に計算を回せば、2.4の耐力壁の配置と有効壁長Ldの算定で、負担地震力を比較検討できます。誤差があるのですが、これで壁量の充足は簡単にチェックできます。

それにしてもCLTの耐力壁は垂れ壁などによって異なってきますがだいたい壁倍率10倍程度なんですね(壁の高さが3mの場合)。これなら各壁の高さごとに表を作って簡易壁量チェック表を作っておいてもいいかもしれません。

 

kizukuri 2×4で、CLTのルート1に挑戦

CLT告示講習会のルート1の事例は、簡潔でわかりやすいのですが、初っぱなから高さが間違えているので混乱しました。まあわかりやすい部分なのでいいのですが(汗)。

これくらいだと手で拾っていってもいいのですが、検算のため今回はkizukuri 2×4で計算してみました。

kizukuri2x4はツーバイフォーの構造計算ソフトです。もちろん在来の木造のソフトでも大丈夫なのですが、柱を入れなくても回るので、こちらのほうがCLTに向きます。

利用するには、高さ関係や床面積、見つけ面積を含めた一般的な部分は普通に入力します。固定荷重はマニュアルをみて設定します。ひさしの部分に注意です。サンプルは手すりが入っていなかったりひさしが・・・とか屋根勾配が・・・とかあるので数値検証以外はきちんと拾いましょうね。そのあと間取りを入力します。挙動を確認するなら910ピッチでも大丈夫ですが、マニュアルを再現したいなら、細かく区切っていきましょう。入れるデータは壁、まぐさ(重量は1/1で入力)、床、屋根、ひさし、バルコニー、柱などです。重量を計算するならあえて柱も入力しなくても大丈夫です。また軸力を出すためにダミー梁で柱に軸力を流せるようにしておきましょう。このあたりは在来の知識が役に立つかもしれません。

高さ関係が・・・なので、同じ数値にはなりませんが、地震力、風圧力を算出でき、同じような数字になることを確認できるはずです。実務でもこのレベルで十分ですし、ここまで一貫でできると後が楽ですね。地震力と風圧力がでたら、大きい方を選択し(サンプルは地震力です)、その数字を元に、応力計算をします。

ルート1でもCLTの計算は特殊です。許容層せん断耐力の出し方は独特ですので、この部分はエクセルでシート化しておきましょう。ただQ0が15kNと一定ですので簡単です。面倒なのはn(垂れ壁と腰壁の合計)を数えたり検算する作業です。Lはkizukuri2x4で合計がでているので検算できますが、L0は面倒です。垂れ壁・腰壁の集計がネックでしょうか?うまく図化して間違えないようにしたいものです。許容せん断耐力の計算自体は簡単なので、出た数字を先ほどだした地震力と比較して検定すれば大丈夫です。そもそも1,2階そろっているこのサンプルでは、非常に平易となっています。自由度が少ない分、計算や検討は楽なのがルート1のCLTの構造計算・設計です。

kizukuri2x4でうまく壁パネルに軸力を流すモデルを作っておけば、壁パネルの負担軸力を算出できます。パネルのサイズにあわせて・・・とか工夫したいところです。手計算では面倒なので、この方法をどうにか確立させたいですね。

軸力が出たら壁パネルの圧縮座屈の検定をします。これはエクセルでシートを作っておけば大丈夫です。不利そうな場所を各階数カ所計算すればOKでしょう。

床パネルも検定します。単純梁モデルに置換して、長期荷重による面外曲げ、面外せん断およびたわみに対する断面検定を行います。複雑になるとどこが不利か?わからなくなるので慎重に。単純梁により得られた応力で、曲げ応力度と面外せん断応力度を出してから鉛直構面のCLTパネルの検定を行います。長期荷重時の面外たわみは、告示準拠で変形増大係数2.0でスパンの1/250以下であることを検定しますが、無理なスパンに設定しなければ、普通は余裕です。サンプルではスパン4.55で、たわみ1/520とかなり余裕がありますね。形状の自由度が低い分、ある程度ゆとりのある部屋を実現していけば、面白い使い方が見つかるはずです。

バルコニーの検定も、はねだし1.82mなのに、たわみが1/667です。筑波の実験棟は3mのはねだしであまり揺れなかったことから(これは推奨していないようです)、まあ妥当で安全な使い方なのかもしれません。もっとも手すりは入っていなかったし何か荷重を追加したら・・・と考えるとしばらくは慎重に検討したほうがいいのは、いうまでもありません。

短期荷重時はもう少し複雑です。階段・吹き抜けが外周部なら耐風梁の検討は通常の木造と同じです。CLTパネルの面内のせん断、金物のせん断耐力など計算の流れをきちんと整理すれば問題ないでしょう。風と長期荷重の組み合わせ応力の検定、地震と長期荷重との組み合わせ応力の検定もサンプルでは代表面のみをやっていますが、実際全数出力を求められたら面倒ですね。

あとは、垂れ壁パネルの検定、柱梁の検定です。これは木造の構造計算と同じです。

最後は基礎です。CLTは長期地耐力50kN/m2が標準のようです。サンプルで大型の布基礎で設計しています。基礎巾は180ミリ。在来よりも大きな基礎が必要です。短期やアンカーボルトは意外と厳しいです。パネルの下部両端の金物で止める工法なのでどうしても配筋が大きくなりがちです。余裕をもった基礎断面が必要なイメージです。

サンプルでは、屋根葺き材の計算、偏心率の計算と続きます。おそらく壁量の検定の時に資料が調っているなら簡単に出ると思います。kizukuri2x4に戻して・・・という作戦もありです。矛盾点がないように解説するのが難しいかもしれませんが意外といけそうです。

部材の全数計算が求められるのか?などで難易度は変わるかもしれませんが、ルート1は拍子抜けするくらい簡単です。サンプルはひさし、手すりなど省略している部分が多かったですし、実際の建具・サッシとの納まりなどいろいろ検討しなければならないところを、ザクッといってしまっていますので、実際実務でやっていくにはまだまだ検討が必要そうです。

忙しいので検証時間をあまり取れなかったのですが、kizukuri2x4などで荷重を拾っておくと非常に省力化できます。しばらくはCLTの構造計算ソフトはでそうにありませんし、わざわざ任意形状のソフトで・・・というのもルート1では現実的ではありません。お仕事をもらったらうまく工夫して計算していこうと思います。

講習会ばかり・・・講習会強化月間

はい。最近、講習会三昧です。

この時期開催のものが多いということもあります。正直みんな忙しいみたいですけど仕方がありませんね。

CLTの講習会、耐震関連2つ、木造耐火関連1つ、ZEH関連1つ・・・・。技術的なものは、講習会にまず出てから後ほどテキストで勉強・・・というのがいいです。資料を集めに行って会場で寝ている人はだいぶ損していると思いますよ。

CLTの例題をやっていますが、ルート1のこれ、たぶん確認申請降りないでしょうね。たぶん木造軸組の構造計算している人なら気がつくはず。壁式RC造に近い考え方しているのはわかるのですが、自分なりに荷重なり地震力なり考え直さないと駄目でしょうね。まあグレー本だってそのまま使える例題ではなかったので、講習会テキストってそんなもんでしょう?と思ってしまいます。

とはいえ、だいぶ実践的な事例であることには変わりがなく、専用ソフトがでるまで、どのように切り抜ければいいか?いいヒントになっています。かなりいい感じの計算結果がでるようになってきたので、じっくり取り組んでいこうと思います。

省エネや耐震は・・・まだまだ学ぶこと多いですね。昨日の東京都耐震講習会の山辺先生の話も、知っている内容が多いとはいえ、実務を現在もやっている先生なので非常に貴重です。その前の佐藤先生の話もTAAFの講習会で聞いていた内容に近いのですが、改めて聞くと気づかされることが多いです。貪欲に学習していかなければ、と改めて感じます。

 

 

 

 

CLT2階建て実験棟・ツーバイフォー6階建て実験棟完成見学会

CLTの告示が3月31日と4月1日に出て、いよいよ設計しやすくなった・・・と喜んでいる人をあまり見かけないCLTですが、見学会の申し込み状況などから、それなりに盛り上がっているようです。

CLTと2x4の実験棟は隣同士に建っています。

CLTと2×4の実験棟は隣同士に建っています。

本日、見学会に行ってきました!!表向きはツーバイフォーの見学ですが(協会員ですからね)、CLTもじっくり見てきました。

まずCLT。3mの跳ね出しバルコニーなど木造では難しそうな構造もしっかりしていました。長期的に問題なければ、これはぜひ活用したいですね。実験棟では内部を仕上げなしで作っている部分は迫力ありますが、いろいろな課題があることを施工に関わった方や設計者に聞けて良かったです。個人的にも課題は多いだろうな~と思っていた部分だったので勉強になりました。CLTパネルを活かした間取りなどあると思います。共同住宅やグループホームには向いていると思います。個人住宅では実験棟のようなシンプルかつ窓の少ない構造がいいのではないか?と思います。

施工精度を要求される建物なので、経験を積んでいかないと施工は難しそうです。木造!と考えないほうがいいかもしれません。

ツーバイフォー6階建てのほうは、意外にも快適。風がないせいかもしれませんが、あれだけたくさんの見学者が上ったり下りたりしているのに、あまり振動を感じませんでした。狭小に近いのですが。各階ごとに床の構造が違うのですが、こちらも剛性が高く安心感があります。短時間しか見学していませんが、意外と実用になるのでは?と期待せずにはいられません。

もちろん鉄骨造や鉄筋コンクリート造の良さもあります。向き不向きもありますが、CLTは壁式RC造の建物を大幅に減らしてしまうポテンシャルはあるのではないか?と感じます。ツーバイフォーの高層化も実現すれば、小型マンションやグループホームでは採用したいところも多くでてくると思います。

撮影してきた写真や、今回発表された告示などをじっくり見て、今後設計していくかどうか?判断していこうと思います。

CLTのパブコメ・告示化(あくまで感想)

なんでそんなに急ぐのか??わかりませんが、急ピッチに進んでいますね。誰が得するんでしょうか??

以下はパブコメ等から読んだ個人的な感想です。まだ告示は正式には出ていません。くれぐれも内容を鵜呑みにしないように・・・引用もお控えください

CLT(直交集成板)を利用した木造建築物の設計・施工ができるように、国交省は着々と準備を進めています。CLTとは、Cross Laminated Timberの略称で、ひき板を並べた層を板の方向が層毎に直交するように接着した大判のパネルです(日本CLT協会HPより。以下も参照にして書いています)。1995年頃からオーストリアを中心に発展してきた比較的新しい木質構造です。メリットは、寸法安定性の高さ厚みがあることから高い断熱・遮音・耐火性を持つことです。近年木質材料を使っていこうという日本においても魅力的な構法だと感じたに違いありません。通常の木造に比べて燃えにくいというのはポイントが高いかもしれません。日本でも2013年12月にJASが制定されています。

CLTパネルは国産材でも作ることができます。無垢材の良い材料が少なくなってきた反面、CLTに用いるような材(合板用として活用されるB材なども使える)は豊富なようです。輸入集成材に頼るよりは・・・というのもあるのかもしれません(すみません、あまり国産化に関しては知りません)。

CLTパネルと集成材の違いは、集成材は張り合わせる板の繊維方向が平行方向で張り合わせますが、CLTは直交しています。

CLTの建築での使い方は、壁式RC造のような感じですね。壁式RC造に比べた優位点は、軽量で短期間で工事ができること。断熱性でも多孔質な木のおかげでかなり良いです。強度も軽量な割に高いのです。耐火性も通常の木造よりもあるので、壁式RC造のシェアを奪っていくかもしれませんね。

3月8日までパブコメやっているので、覗いてみるといいでしょう。意見がある方も。内容的にはあまり問題がなさそうなので、恐らく4月頃には告示を公布・施行するでしょうね。

パブコメの告示案では、材料強度などが定められています。また構造計算の方法も60m以下の建物が対象で・・・という他の構造形式に近い区分です。CLTの場合、区分イ(31m超60m以下)は、ルート3(保耐or限耐・大臣認定)。区分ウ(31m以下)はルート2もしくはルート3、大臣認定。ここが一番多いと思うのですが、通常は適判で、ルート2に関しては、前回の改正であったように確認検査機関(主事)次第で、適判の対象外になるのも同じです。区分エ(3階以下、軒高9m以下、最高高さ13m以下)は、ルート1等。住宅などはここになるんでしょうね。日経アーキテクチュアの記事を見る限り、4号建物の場合、構造計算が必要なようです(ごめんなさい。私はパブコメでそこまで読み取れませんでした)。

パブコメを読んでの感想は、土台は必要なのか~とか、ラミナの方向も関係あるのかとか、耐風梁の補強どうするんだろ~とか色々。

個人的には壁式なのに、鉛直力のみ負担する柱を使ってもいいのは助かります。まあ耐火で・・・ってことでしょうか??

垂れ壁や腰壁パネルの両側には無開口壁を設けなければならないと明記されていますが、どれくらいのサイズなのかな~とか、あいまいにして欲しくないところです。

→90㎝ですね・・・意外と長いです。普通に低層で設計するならやはり共同住宅が適しているようです。

地下室にはやはり使えません、と思ったら外周以外は使える・・・面白い用途が思い付きそうです。

構造計算については、限界耐力や保有はちょっと読めませんが、ルート1とルート2は意外と簡単にできそうだな~と感じます。もっとも施工に関する知識がないと設計自体できそうにありませんが。壁量も15kN/m程度なら、形状の自由度はともかく設計しやすいと思うし、接合部を止める金物がきちんとしていれば、細かい設計は不要で、良い感じで設計できそうです。CLTやってから在来木造やっていると気が狂いそうになりますねえ。

耐火に関しては、準耐火では必要な燃えしろが、接着剤によっても異なるのが興味部会です。45分で3.5㎝(フェノール樹脂接着剤で耐力壁)、60分で4.5㎝とCLTならそれほど難しくなさそうです。共同住宅などで形状も含めて、在来やツーバイフォーから乗り換える業者も増えるのでは??と感じます。

まあしばらくはCLTパネルの入手性や、施工業者など問題は多いと思いますので、我々には無縁かな~と感じています。

以上はパブコメ等から読んだ個人的な感想です。まだ告示は正式には出ていません。くれぐれも内容を鵜呑みにしないように・・・引用もお控えください。