木造の耐震診断・補強の入門書は??

と聞かれたら、この本をおすすめしています。

耐震診断ができる、わかる「耐震補強マニュアル」

金物商社のアムハード小西が出していることもあり、流通が少ないのが難点ですが、木構造・耐震診断に定評のある木構造研究所 田原の田原賢氏が書いていることもあり、非常に実用的でわかりやすい入門書です。写真や参考資料も豊富にあり、初めて耐震診断・補強を学ぶ方、実務でレベルアップしたい方ともにお勧めです。

って言っていたのですがamazonでの取り扱いがなくなっているんですよね(今日現在)。縁あって(なぜ??)以前から、なまあずショップ楽天市場店で販売しておりました。このたび在庫を確保しましたので楽天市場店だけでなく、なまあずショップ(府中店)でも店頭販売を開始いたしました。入手できない!とお悩みの方はお急ぎください。本日も既に1冊売れていますね・・・。

 

 

阪神・淡路大震災から23年

あの阪神・淡路大震災から23年。かなりの年月がたち、神戸新聞のサイトには8401日と書かれていました。関連死を含めると6434名の命を奪ったと言われています。

常に様々な衝撃的な事件や災害が発生しているので記憶が薄れていると思いますが、あれ以来、高速道路が落ちたり、たくさんの死傷者が出た火災、都市型震災というものは実は発生していません。大きな地震は新潟県中越地震や東日本大震災など発生していますが、大都市から離れていたり、大都市ではそれほど被害が大きくなかったりしました。そのため震災対策が行き届いているような印象を受け、大都市では震災に対する恐怖感が減ってきているような気がします。しかし都市は日々老朽化していきます。これは紛れもない事実で、新型の建物もいずれ老朽化していきます。

阪神・淡路大震災のとき、新耐震の建物は比較的被害が少なかった、といいます。しかし、新耐震の建物はその当時築15年に満たず新しかったという事実を忘れてはいけません。新耐震導入当時の建物が現在は築35年を超えてきています。それだけの月日が経っていることを理解せず、未だに新耐震にこだわる政策には納得はいきません。もちろんそれ以前の老朽化したものが先というのはわかりますが。となると、今後は新耐震の建物をどのように分類して対策を講じていくのか?が課題となります。

備蓄品についても定期的に入れ替えなければならず、一回対策を打てばいいというものではありません。継続性が大事です。

大都市では人口が多すぎて外からの対策には限界があります。そこに住む1人1人が少しずつ対策をし、少しずつ助け合うことで、どれだけ助かることか。そう思いながら、1人1人がこのような機会に対策を考えていって頂ければ、と思います。

新耐震木造住宅検証法

ついに日本の木造耐震も変わる節目になったのかもしれません。

従来、木造耐震診断といえば、旧耐震(昭和56年以前)を対象としており、新耐震は安全という基本スタンスは変えずにきました。もちろん2000年以降の震災によって新耐震でも倒れる家もありました。旧耐震が危険といっても既に相当古いので建替も進んできています。今後の課題は新耐震以後、ということは誰の目から見ても明らかでした。

そこで今回の新耐震木造住宅検証法は、新耐震基準導入後の昭和56年6月から平成12年5月までに建てられた木造住宅を対象として、耐震診断よりも効率的に耐震性能を検証する方法(新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法。略称「新耐震木造住宅検証法」)を作成した、そうです。

ステップ1は所有者等による検証です。リーフレットの「木造住宅の耐震性能チェック」(暫定版がホームページに掲載されています)を参照に行います。ステップ2は専門家による効率的な検証もしくは専門家による耐震診断となっています。効率的な検証は所有者等による建物調査を活用し現場調査がありません。耐震診断は一般診断法や精密診断法に準拠したものを行います。なので注目は専門家による効率的な検証が何か?ということになります。

専門家による効率的な検証は、一般診断法に準じた方法とされ、壁の耐力や接合部金物仕様、壁配置、劣化状況は「所有者等による建物調査」に基づいて審査するようになっています。それでいいのか??と思ってしまうのは私だけでしょうか??

個人的には金物の有無は必ず見たいところですが、平成12年までということで、義務化前で恐らく金物は・・・という目で診断したほうがいい時期のものなのでこういう感じなのかもしれません。それ以降の建物でも金物がきちんと施工されていない建物も多く見られるわけで、国としては段階的に・・・ということなのでしょうね。

現在建防協のホームページに情報が掲載されていますので、是非ご覧くださいませ。

HOUSE-DOC Ver4出荷決定(2016年7月25日発売)

建防協評価が無事におりたようで、Ver4の出荷が正式に決定しましたHOUSE-DOC。なまあずソリューションでも到着次第手引きの改訂を行うそうです。

言うまでもなく日本は地震大国なわけで、耐震性アップは永遠のテーマと言えます。しかしながら耐震のスペシャリストは本当に少なく、木造に限らず危険な新築は未だ建てられているのが現状です。せめて耐震診断の知識くらいをもって、新築に臨んでいただければ、と思うのですが、なかなかそうは行きません。建物にとって重要なのは耐震だけではありませんからね・・・。

構造屋さんと意匠屋さん、どちらに診断依頼したらいいのか?

はい。木造の話しではありません。RC造やS造の件です。

意外かもしれませんが、私はある程度の経験があり建物理解がある方と限定しますが、意匠屋さんに依頼したほうがいいと思っています。

私もこの業界長くなってきましたが、構造屋さんの限界も感じるようになりました。また1つの事務所で何でもできる!というやり方も疑問を覚えるようになりました。

木造よりも専門性が高いRC造やS造の耐震診断の場合、できれば技術者には専門業務に専念して欲しいというのが私の本音です。もちろん現場経験は重要であり必要な場合があります。しかしいちいち現場で・・・というのはイマイチ効率が悪いです。特に1人事務所が多い構造屋さんの場合、それだけで一日終わってしまうことがあります。もちろん複数人数がいても、コラボレーションというより共同作業を行うほど大きな物件は希です。1人でやっている場合が多いです。

書類作成や提出、お客様や業者との打合せは意外と構造屋さんは苦手です。よって意匠屋さんの出番です。双方の得意な分野を活かしてやれば非常に効率がいいのです。

なら、なまあず本舗のように両方いる事務所ならいいじゃん!と思うかもしれません(それなら宣伝ブログになります)。しかしそううまくはいきません。なぜなら耐震診断しているとき、意匠担当がヒマかどうか?はわからないのです。巨大な事務所であろうと小さな事務所だろうと、社内事情はそれぞれ。耐震診断のような作業が得意な担当がいるかどうか?も問題になります。お客様対応も同様です。

お客様から見たら、意匠屋さんと構造屋さんが組んだ場合より、意匠・構造両方ともある事務所に頼んだ方が安く見えると思いますが、実際の作業量としてみたら、担当者の習熟度で決まりますし、双方とも費用を精査しているのであれば、特別に有利不利はありません。実際、なまあずのように意匠屋さんと組むケースと自社で全て行うケースがある事務所でも、総額は世間が思っているほど変わりません(きっぱり)。意匠屋さんが中抜きしているから高いのでは?と思いますが、実際に協業している場合は、意外と計算以外の作業が多いので、それに見合った分配をすれば、どちらも損はしませんし、依頼者からみてもそれほど差がありません(むしろ安い場合もあり)。これは設計事務所に新築設計依頼したケースと似ており、設計・施工一貫のハウスビルダーさんやハウスメーカーさんより安い場合も多いのと似ています。双方ともプロの仕事をしているというのが条件ですが(汗)。

ただあまりにも無知な意匠屋さんと組んだ場合は、とんでもなく被害(お金は抜かれるし、作業もこちらがほとんどやらなければならない)がでます。きちんとした意匠屋さんと組んだ場合、こちらの作業がかなり省力化され作業に集中できます。特になまあずの場合は、熟練した意匠屋さんと組む場合が多いので分業して精度が下がるということはありません。意匠屋さんの目で建物をみることも非常に重要であり、構造屋さんだから見る目が正確・・・とはいえない部分もあります。それぞれ専門が違いますしね。補強に入るとそれは非常に顕著にでることがあります。

もちろん私の場合、構造意匠兼業事務所として、意匠事務所とコンビを組むより、単独で任せた方がいい!という状態に持っていく努力をしていますよ。でも正直分業するための意匠屋さんとコンビを組んだ方がいいな、と思います。双方いろいろ勉強になりますし、刺激にもなります。もっとも良いコンビを組めるかどうか?というのが重要なのですが・・・。