WOOD-STに向く建物

 

Ver1.5がアナウンスされましたが、構造技術者たちの反応は概ね好意的です。買うか?買わないか?悩んでいる人も多いかと思います。
Ver1.5は既存ユーザーは無料でアップグレードできるので、Ver1.5を買うことを決意している人は今のうちに購入しておいたほうがいいと思います。実際の計算機能はあまり変わりませんし、使い勝手に癖のあるソフトですから慣れておいたほうがいいと思います。
さて、数棟解析してみましたが、グレー本準拠の計算ソフトと向き不向きが結構異なります。通常の住宅などはやっぱりHOUSE-ST1などのグレー本準拠のソフトのほうが良いです。完成度も高く、入力したらある程度の計算書が作れる手軽さはかないません。標準で金物図も作れませんし金物指定も解析ソフトならではの部分があります。
WOOD-STを買いたい人の中には方杖を使いたい人が多いと思います。ただし方杖は耐力が低いので、三層などで効率的に耐力として使えるか?というと疑問が残ります。逆に平屋の倉庫や駐車場などでは威力を発揮するkとがあります。凝った木造住宅で壁を無くすために方杖を使う・・・という用途では耐力不足で役に立たないケースも多いので注意が必要です。

スキップフロアと吹き抜けがある程度大きな建物は威力を発揮します。これは歴然です。もちろん解析NGの場合もありますが、グレー本の比ではありません。解析系の強みですね。検査機関にスキップフロアNGと言われて悔しい思いをしている人にはお勧めです。狭小系で角にユニットバスを持ってきて・・・というときも有効です。グレー本ベースの計算ソフトでもスキップフロアを可としているものがありますが、厳しい制約がついて回るので実用的でない場合が多いです。

個人的に同一方向は同様の耐力要素を使いたいので、開口部が多いX方向はブレース・方杖系で、開口部が少ないY方向は構造用合板で、という設計が多いです。柱も長方形を使うことが多いので、初期の段階の構造計画できちんとその当たりを考えておかないと、行き詰まることが多いです。計画段階がより重要になってきます。

木ブレースは、K型が使えるのが強みです。内部中心付近で使うと耐力壁が一気に減ります。外周部はうまく方杖系を使って・・・と工夫すると開放的な間取りが実現できます(ある程度適用できる形を作っておくのが鍵)。壁量で計算するグレー本系と異なり、あと壁何枚で・・・というのがわかりにくいのが難点ですが、グレー本系だって初心者はどれくらい必要か?などはわからなかったはず(そんな時代が懐かしい・・・)。慣れ次第だと思います。私はまだ慣れていないので、壁量換算でどれくらいか?という目分量を考えてから設計します。それでもだいたい当たりますが、やはり勝手が違います。

ただでさえお勧めですが、基礎の計算、面材耐力壁入力の効率化などで更に便利になったVer1.5が出る前に購入しておき、すぐに実戦で使えるように準備しておきましょう。

WOOD-STで方杖車庫

WOOD-STで注目される方杖。強度は弱いけど、たくさん入れられるので使い方によっては武器になりそうなんだけど柱が意外と持たないし・・・といろいろ考えてはいるのですが、なかなか良い用途が思い浮かびません。46条壁量計算では加算できないので、2項ルートで構造計算すればいいのですが、なかなかその簡便な方法が今までありませんでした。

一番簡単なのが平屋の車庫や倉庫でしょうね。壁が作れませんので。

これだったら実用的だと思いませんか?今回はY方向の両サイドは構造用合板で設計して、X方向は方杖だけで設計しています。やはり同じ性状の壁で各方向揃えたいですね。2.73スパン程度であれば各部材も通常考えられる程度で済みます。柱は105角なんかでは無理!です。応力図や変位図が簡単に出せるので検討しやすいです。

ちなみに、105角で3D画面を見るとこんな感じに柱が細くなって表示されます!!

105角だと層間変形角でも恐ろしい数字がでてNGになります。

105×240の柱だと楽楽クリアです。方杖の場合は柱の太さも大切です。また柱脚をどう設計するか?方杖の止め方は?とか程度で設計できます。太さの変更などのシミュレーションも一貫ソフトらしく手軽にできますので、自分なりの方式を考えるのにもいいと思います。FAP-3でやってた頃に比べると劇的に楽です・・・。

もっとも形状などに制限がありすぎるので、FAP-3などはやはり必要だと思います。ただ整形であれば、これだけ手軽に検討ができるわけで、玄人ほどこのソフトに期待している理由がわかります。

今後、基礎の計算の実装のほか、ユーザーからの声を反映して続々と機能を搭載していくそうなので、楽しみです。

ご購入は、なまあずショップ楽天市場店にて!!

 

 

なまあず日記の検索ワードで多い「方杖」「壁倍率」

意外にもトップ検索ワードは「方杖」です。対のワードは、「壁倍率」なので、木造の方杖で壁倍率を取りたい場合に検索している人が「まだ」多いようです。

方杖の強度を方杖自体で取っている・・・と思っている人が多いですが、実際は柱がある程度強くないともちません。なので105角で方杖に頼ってしまうと柱側が先に折れる結果になってしまいます。方杖取り付けにもボルトやビスなどで欠損も出てきますので計算値通りの設計って意外と難しそうです。もっとも一定の型はありますので、特異なことをしなければ問題ないと思いますが。

個人的に方杖を採用する場合は、金物構法などの性能がきちんと明記されているもので、方杖に利用できるものを採用します。例えばテックワンP3プラスのように、元々方杖での利用も考え、事例を書いているものです。ちなみにテックワンP3プラスのマニュアルには方杖フレームの計算例が書いてありました(最近のものに載っているかは知りません)。欠損も少なく取り付けて出荷してくれるので施工も手軽ですし安全性も高いです。金物が特殊なぶん、コストアップになりそうなのがネックです。

もっとも方杖を使うシーンは耐震補強が多いので柱自体をアラミド(お勧め!)で補強・補修したり、柱を二重に重ねたりして元の柱をできるだけ痛めないようにしています。新築の場合は面材で耐力を取っているので、方杖を倍率加算するためには使いません。隅柱などで弱そうな場合は耐震補強に準じて補強を行い倍率加算はしません。

倍率加算を考えるなら、似たような挙動の方杖の数を集めて同方向のみ使う、というのはアリだと思います。Y方向は面材で、X方向中央部は面材、外周部は方杖といった組み合わせです。もちろん全部方杖というのもいいと思いますが平屋のように必要耐力が低いものが対象になりそうです。

秋に発売になる、WOOD-STという木造構造計算ソフトは壁倍率によらずルート2で計算するソフトです。スキップフロア対応も目玉ですが、壁倍率によらないので、方杖も利用できます。詳細はまだ発表されていませんが、HOUSE-ST1のように簡単なユーザーインターフェイスで利用しやすいものになっているようです。使いこなすと面白い建物が設計できそうで非常に楽しみです。