フリーソフトで学ぶ建築構造計算

ストラクチャーのビルディング・エディタは、フリーソフトとして公開してくださっています。この英断は当時はかなり話題になりました。あれから年月を経て今はどれくらい使われているのでしょうか?有料版も出ていますが、手軽に構造計算がどんなものなのか?を試すには未だに第一候補でしょう。そしてこの本があるから導入も非常に楽になりましたね。ただ品薄で入手できないという話しも聞きました。このたび増刷(第7刷)されたそうです。欲しい方はお早めにご購入くださいませ。他の構造計算ソフトを初めて使う際にも有用な内容にもなっていたりします。楽天市場では未だ取り寄せになっているようです(2月8日現在)が、どうなるんでしょうか??

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フリーソフトで学ぶ建築構造計算 [ 野家牧雄 ]
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二次部材へのデータ転送(ビルディング・エディタからRCチャートへ)

メジャーな一貫構造計算ソフトは知られていますので、ここではネットでもあまり話題にならないものを。

まずは、無料で使えるビルディング・エディタから有料の2次部材ソフトRCチャート8へ。

実はこの組み合わせができたとき、ビルディング・エディタで利益が出ないからチャートシリーズで・・・との空気を読まない外野がいましたが、良く考えれば、別にチャートシリーズじゃなくても2次部材は計算できますしそのように考えるのは邪道だと思いますね。実際はユーザーの利便を考えての仕様でしょう。

ただその転送方法はユニークで、ビルディングエディタの通常の画面上からはできず、最初に起動されるメニューからEditorToChartを起動して、スラブや小梁を指定します。指定はクリックするだけなので簡単です♪(画像はクリックで拡大できます)

EditorToChart

EditorToChart

ただし、そのままRCチャートが起動するわけでもなく、小梁とスラブは変換を分けなければならないし・・・と若干手間がかかります。これはチャートシリーズは個別のプログラムの集まりのようなので仕方がありません。

クリックするだけで部材指定できるので手軽♪

クリックするだけで部材指定できるので手軽♪

各種類はそれぞれ別に変換します。

各種類はそれぞれ別に変換します。

RCチャートを起動して、変換したXMLファイル(チャートのファイルではありません)を読み込めばめでたく計算できます。別に手打ちで入力してもそれほど手間はかからないかもしれませんが、やはり純正同士。安心感と手間の低減はメリットです。エラーが出た場合(上の画像)きちんと、警告してくれるのも親切です。

RCチャート8で小梁の計算がスムーズに。

RCチャート8で小梁の計算がスムーズに。

ビルディング・エディタ/W Ver2は階数8以内(地下・塔屋含む)

HOUSE-WLは、壁式鉄筋コンクリート造の構造計算ソフトとしては非常に良くできているのだが、階数の制限が厳しい。地上3階建て以下だし。まあハウスというのは3階建てまでなのかもしれません>構造システム。

まあそれ以上はきちんとWALL-1あるので問題ないのかもしれませんが、年会費が・・・とかいうひともいるでしょう。その点は壁麻呂などでも同じですが(汗)。HOUSE-WLが良心的といえるのかもしれません。

さて、ストラクチャーの壁式RC造の構造計算ソフトのビルディング・エディタ/W Ver2は意外と知られていませんが、XY各方向のスパン数≦50で、地下階・塔屋階を含んで8階以内と意外と高さ関係には余裕があります。もちろん保有 はできませんが、そっち使っている人あまりいませんよね>壁式RC造の構造計算者さん。

ビルディング・エディタ/Pro2のおまけみたいに思われていますが、セットであっても壁式RC造の構造計算ソフトとしては最低価格なわけで、お買い得であるのには違いありません。Ver2になって、二次部材(スラブ・小梁・基礎)が付属しました。

壁式RC造のソフトは一長一短で、どのソフトもまあまあ使えるが、絶対的ではない、という印象です。また主力業務になりにくい構造なのであまり議論 されてこなかったというのもあります。強度型で地震に対して強い構造ですし、他の混構造にも向いていますし(基本揺れにくい)、構造設計も意外と平易です ので、冬休みに挑戦してみるといいと思います。

ビルディング・エディタの耐震診断機能

珍しく一貫計算ソフト(SEIN)が使用中だったりするので、ビルディング・エディタを使っています(BUS買えって??)。

意外と小型物件の検討などでは重宝するフリーで使える一貫構造計算ソフトですが、実務で使っている人が意外と少ないのが残念です。

実は年間サポートは3万円(+税)なので、意外とお得です。まあ無料でお金払いたくない!という人には不向きですがね。

個人的にこのソフト、梁の入力のマウス判定がシビア(あくまで入力の時です)で、小さな四角や線(柱や梁)をきちんと示さなければならないのでストレスが貯まります(老眼になったのか、きちんとつまめることが少ないです(汗))。

それ以外は入力に戸惑うこともなく、普通の設計を行うのであれば良いソフトです。もちろん有料版は、壁式RCの計算も行えますし、RC、Sもパワーアップしています。

あと、ネット上に使えない!と書かれているものは、全般的に古い版が多く、その後も改善は続いていまが、それに言及している記事はあまりありません。

ビルディング・エディタの耐震診断

さて、雑談はともかく、このソフトはフリー版でも耐震診断が付属しています。2001年改訂版の既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・同解説」(建防協)に準拠した診断で、鉄筋コンクリート造の1次診断を行う事ができます。通常、耐震診断といえば、2次診断であり、沿道耐震などでも基本は2次診断なので、このソフトの実用性はあまりないのかもしれません。しかしながら1次診断がわからなければ2次診断は絶対できないわけで(・・・)このソフトで用語や計算方法に慣れるというのは非常に良いと思います。

軸組

軸組

まあメーカー側もこの機能をさほどアピールしていないので、それほど重要視していないのかもしれませんが、手軽に使えますし、これを使って見てから二次診断のソフトを買っても遅くないと思いますよ。これはこれで図面などで先にある程度の目星をつけるために使えますしね。鉄骨が多かった某事務所では登場回数が少なかったのも事実ですが・・・。

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ちなみにサンプル計算例では(平屋)、計算書出力は5枚です(しかもほとんど印字無し)。これが理解できるようになれば、次へステップアップですね。