WOOD-STで方杖車庫

WOOD-STで注目される方杖。強度は弱いけど、たくさん入れられるので使い方によっては武器になりそうなんだけど柱が意外と持たないし・・・といろいろ考えてはいるのですが、なかなか良い用途が思い浮かびません。46条壁量計算では加算できないので、2項ルートで構造計算すればいいのですが、なかなかその簡便な方法が今までありませんでした。

一番簡単なのが平屋の車庫や倉庫でしょうね。壁が作れませんので。

これだったら実用的だと思いませんか?今回はY方向の両サイドは構造用合板で設計して、X方向は方杖だけで設計しています。やはり同じ性状の壁で各方向揃えたいですね。2.73スパン程度であれば各部材も通常考えられる程度で済みます。柱は105角なんかでは無理!です。応力図や変位図が簡単に出せるので検討しやすいです。

ちなみに、105角で3D画面を見るとこんな感じに柱が細くなって表示されます!!

105角だと層間変形角でも恐ろしい数字がでてNGになります。

105×240の柱だと楽楽クリアです。方杖の場合は柱の太さも大切です。また柱脚をどう設計するか?方杖の止め方は?とか程度で設計できます。太さの変更などのシミュレーションも一貫ソフトらしく手軽にできますので、自分なりの方式を考えるのにもいいと思います。FAP-3でやってた頃に比べると劇的に楽です・・・。

もっとも形状などに制限がありすぎるので、FAP-3などはやはり必要だと思います。ただ整形であれば、これだけ手軽に検討ができるわけで、玄人ほどこのソフトに期待している理由がわかります。

今後、基礎の計算の実装のほか、ユーザーからの声を反映して続々と機能を搭載していくそうなので、楽しみです。

ご購入は、なまあずショップ楽天市場店にて!!

 

 

「かんたん木造」を使ってみた

最近、構造計算業界は木造のプログラムが多くリリースされています(これからも・・・)。その中でいままで木造を扱っていなかった株式会社ストラクチャーも、かんたん木造というソフトをリリースしています。

このソフトは単独ではなく、同社の断面計算プログラム集のStructureSuiteの付属ソフトという位置づけです。同社は既に、フリーストラクチャーでも木造の断面検定機能を搭載しており、着々と木造のソフトを拡充しています。

この手のソフトは木造舎(現在販売・開発は株式会社コンピュータシステム研究所に移行)の二次部材ソフトKIZ-subが有名です。あちらはKIZUKURIの付属ソフトという位置づけで、KIZUKURIの印刷機能で、KIZ-subの計算結果を含有することが可能です。一方かんたん木造は単独で計算結果を出力します。

使い勝手はチャートシリーズと同じ。KIZ-subが計算式まで手書きのように再現しているのに対し、結果が出力されるのみです。しかしながら計算概要を出力出来るので、根拠を手で追うことが可能です。

KIZ-subに比べていいな、と感じたのはリストを計算画面から編集出来る点、断面の有効率を直接指定以外に、リスト化できること。例えば390以上の梁と150の梁では断面欠損が大きく異なりKIZ-subならいちいち指定は面倒です。しかし有効率をリスト化しておけるのでよく使う断面欠損(I、Z、A)を登録しておけます。

逆に足りないな~という部分はたくさんあります。まだリリースされたばかりだから、仕方がないのかもしれません。とりあえず出したのかもしれません。今回実務で初めて使って見ましたが、検討しやすいですし手軽で良いですね。この方向で徐々に拡充してくれたら、と思います。特に連続梁とか登り梁とか、耐風梁とか。また木造の基礎で使いやすいツールも需要があるかもしれませんね。

住宅の振動アニメに思う

以前から、住宅の振動アニメの是非は技術者レベルではいろいろ議論されていました。地盤特性がわからないまま、あのようなアニメが1人歩きするのは非常に危険であるという前提で活用法を考えなければなりません。ある程度の地盤特性は加味できますが、果たして個人住宅の個別の地盤に対して振動アニメが実用的か?は私も疑問です。そしてそのアニメが主にハウスビルダー等の宣伝やマーケティングのために使われているという現実から目をそらしてはいけません。

技術者が通常の計算ではわからない点を解析し、新築や耐震補強で活用していく、というのは非常に良いことだと思います。しかし客が欲しいから、という点のみでの利用が多いような気がします。まあうまく使えば危険な建物を販売しなくても済みますし、安全に設計しているよというアピールもできるのかもしれません。ただ安全に見せるために使う・・・というのは違うような気がします。

木造の壁倍率告示の改正と注意点(告示第490号)

3月26日に告示された第490号は、いろいろと波紋がでているようです(詳しくは技術的助言を参考)。同じく改正されたツーバイフォーでは高倍率が可能になったと歓迎の声も聞かれますが、在来の反応はイマイチ。個人的にはこのような高倍率化は壁の強度以外の部分で問題が発生しそうで、慎重にいきたいので、しばらくは静観するつもりです。さっそく国土交通省住宅局建築指導課建築物防災対策室長より、注意喚起がでていることから、現場での知識提供や習熟に一層力をいれなければならないと思います。

ツーバイフォーでは従来最高倍率だった3.5倍が改正で最高4.8倍になります。在来工法では、構造用パーティクルボード、構造用MDFが追加されました。構造用合板についてもくぎの種類間隔等でより高倍率の耐力壁が実現しやすくなりました。また従来限定的過ぎた土台等にくぎで打ち付けた受け材等に耐力壁を施工する際の仕様についても拡充・明記されたことによってバルコニー等で使いやすくなりました。

心配なのは、「可能になったよ~」ということだけ伝わり、納まり、釘、間隔、施工方法などが伝わらないこと。国も告示レベルの公開だけでなく、講習会やテキストの配布など考えて欲しいところです。またKIZUKURIのような壁倍率で入力するソフトは構わないけど、HOUSE-ST1など壁材種を指定して入力できるソフトには早めに反映して欲しいところです。その際納まり図を参照できたり、印刷できたりする機能があれば施工ミスは防げると思います。今回の告示はブログに書こうか?迷いましたが、思った以上に情報発信している人が少ないので唖然としました。時代が確実に変わってきたな~と感じます。

住木センターは最近矢継ぎ早に新着情報を更新していますが、この件の最近の記載はなし。本来はグレー本等の書籍の発行元だからこそ、いち早く情報公開してほしいところですが、ちょっと残念です。その点ツーバイフォー協会はいち早く告示改正について公開してくれたのでありがたかったです。

構造用パーティクルボードはN50@75mm(外周)N50@150(その他)で4.3倍確保です。これくらいあると木造2階建てで外部に筋かいを設けなくて済むので断熱苦労しないでいいので楽です。構造用合板の9mm以上でCN50@75mm(外周)CN50@150(その他)で3.7倍です。手軽に入手できる構造用合板でこの倍率を壁量計算レベルで使えるのはいいですね。CN50である点は注意が必要です。少なくとも外部で筋かいダブルは不要になります。ちなみに構造用パネルは同じピッチでN50で同倍率になっていますが何かの間違えじゃないかと不安になります。

大臣認定を使わず高倍率を設計できるのは、構造計算を行うほうにとっても有り難いです。面倒な認定書をつけなくてすみますし(未だに求める検査機関があるのは残念)。

受け材・床勝ちの件はまた後日。

丸鋼ホールダウン(BXカネシン)

もう1つカネシン。

こちらは丸鋼を利用し、しゃくり加工を施した木材に金物を納めることで、木材の表面から金物を突出させずに、非常に高耐力を実現できるという金物。二本1組施工で最大120kNという夢のような高耐力を実現できます。柱梁の欠き込みが必要なので注意が必要です。プレカットで対応してくれるのかしら??

このような金物の研究開発には敬意を表しますが、設計者はなるだけこのような金物を使わないでも済む、無理のない設計を心がけたいものです・・・。

ベースセッター(BXカネシン)

BXカネシン渾身の新製品は4月20日発売予定だそうです。

要は木造の柱脚です。450幅の壁柱を耐力壁にできる素敵な柱脚です。

私がよく使うJ耐震開口フレームは240mmですので(柱105を含んでも)幅は小さくできるのですが、こちらは一本の壁柱で施工が済むので楽ですね。450の米松集成柱の価格がどれくらいか?が気になりますが。

ベースセッターのせん断耐力は短期8.8kNなので意外と設計しやすいかもしれません(無理しませんし)。簡易ツールで通常の許容応力度設計に組み込めるので、構造計算出来る人にとっては、設計の幅が広がるかもしれませんね。

WOOD-ST Ver1.0.0.3

木造構造計算ソフトWOOD-STのキャンペーンが終わった直後のアップデートです。キャンペーン期間になかなか改良が進まなかったのは残念ですが、構造設計者の期待はメーカーに届いているはずです。今後もどんどん改良していって欲しいですね。

さて今回のアップデートは、操作の改良、バグフィックスです。エラー判定が改善されたのは良かったです(ただでさえ計算書が多いのに、メッセージ無しでエラーがないか探すのは厳しいので)。

計算に関わるバグフィックスも行われていますので、すぐにアップデートしましょう。地味にサンプルの改良も進んで?が減りました。次回はもう一つサンプルを加えて欲しいです。

フロッキン狭小壁

ダイドーハントで昨年発表されていた狭小耐力壁「フロッキン狭小壁」が4月にいよいよ販売が始まります。

柱心350全幅455ということで、ビルトインガレージや狭小住宅で威力を発揮しそうです。金物などがセットされていて扱いやすそうですね。倍率は7倍相当。横架材間寸法が2300~2800なので、個人的には設計でよく使う3000程度まで伸ばして欲しかったところ。まあ上部の梁も大きめで設計すればいいので問題ないか。s

HOUSE-ST1とWOOD-STの軸レイヤ

構造システムのHOUSEシリーズは見やすい反面、軸を拾う作業が面倒です。梁などの線が太いので仕方がないのですが。それよりも軸をクリックし間違えたりしやすいと感じるのは自分だけでしょうか?屋根の軒の出などを入れると壁のラインと取り間違えますし、壁や梁の始点終点を間違えます。これはkizukuriなどでも似た現象は起こりがちです。

そこで便利に使いたいのが軸レイヤです。軸をレイヤのように管理できるのです。わかりにくいので実例を。ソフトはWOOD-STですが、HOUSE-ST1でも同じです。

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軸レイヤは3つまで指定できます。今回はメインの軸と、サブの軸と屋根の軒の出の軸の3つの軸レイヤを指定しています。それぞれ軸レイヤに指定しておきます。

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通常画面です。レイヤの文字も読めないほど密集していますね。屋根の軒の出も150なので通常表示しておくと面倒です。

では、屋根の軒の出を非表示にしましょう。

(クリックで拡大)

軒の出の軸のラインは水色になり、選択できなくなります。これで軒の出の部分に柱を入れたり梁が伸びたりするミスは激減します。

ではメインだけの表示にしましょう。

(クリックで拡大)

この通り、軸名がスッキリしますね。

うまく使えば入力、チェックが楽になりますよ。また隠した軸の部材は表示されるのも便利です。

HOUSE-ST1やWOOD-STでは軸レイヤをうまく使って効率的に入力・チェックしましょうね!!

ASCAL /WRC8

株式会社アークデータ研究所の新製品です。壁式鉄筋コンクリート造の構造計算ソフトです。後発だけあって新たな魅力的な機能を搭載しています。

まず限界耐力計算を採用して8階建てまで計算が可能となります。通常が5階建てまでですからこれは他社にはないメリットです。同社もWRCのソフトは出していますが、通常のWRCを持っていれば計算方法は簡単に切り替えられます。このあたりの互換性はASCALの良さですね。

限界耐力計算って死語に感じていたんですが、堂々とリリースするところまだ先があるんでしょうか??おもしろいのは通常のWRCのモジュールの10倍の価格と言うこと。また通常のWRCと保有耐力計算のモジュールも必須なことから、それなりの投資金額が必要です。でも他社にはないことができるのは魅力的ですね。