耐震診断をやる意味

 正直、理想通りの設計・施工を行えるのであれば、耐震診断の必要性は薄いです。建物の4隅に耐力壁を入れ、必要そうな箇所に耐力壁を入れ、火打ちをいれ、ホールダウン金物を入れ(もちろんアンカーも基礎もやり替え)、基準法に対応できるようにすれば・・・。
 しかしそうもいかないからこそ、耐震診断で建物の弱点を探し、効果的に補強する場所を探すのです。私の事務所の所属する団体の精密診断の価格は図面があっても15万円~と決して安い金額ではありません。だから診断結果は有効に使って欲しいのです。
 15万円程度だったら、既存壁の耐震壁への入れ替えの1~2枚分。きちんと診断結果を活かせるのであれば、簡単に回収できる金額です(もちろん診断しなかったケースとの比較です)。しかしそれでは、補強設計費と補強監理費は出ないのでは?と思うかもしれません。
 実際、プラスマイナスで考えたら、精密診断+補強設計+監理の金額のほうが、診断しないで補強するケースより高いケースが多いと思います。しかし診断しないケースは、どれくらい強度が上がったか?がわかりません。もしかしたら逆にバランスが崩れているかもしれません。きちんと工事されているか第三者監理されていないと、非常に怖いというのは、経験上見てきています。やはり設計者、工事者と別々に立て、それぞれの責任を果たすことが、一番良い結果を生むと思います。見積金額も上がってしまう可能性も第三者がいることで防げることもあるのです。
 私はすべてのケースで!とは思っていません。しかし耐震診断をやるからには、補強設計、監理までを想定して依頼されたほうがいいと思います。逆に、その当たりを説明しない、診断者は説明すべきだと思っています。
[`evernote` not found]
LINEで送る