建築家への不信

 建築雑誌や建築紹介番組を見ていると頭がクラクラすることがある。あまりにも構造に無頓着な建物が多いのだ。構造的に奇抜な建物には2種類あって、優秀な構造建築家と意匠建築家が一生懸命考えて実現した賜物と、そういった建物を真似ただけで、構造検討がめちゃくちゃな駄作。特に木造2階建ての住宅は構造審査も構造検査もないので無法状態です。悲しいことに雑誌やテレビに登場している方々でも滅茶苦茶な方は結構存在しています。大げさな表現と思われるかもしれませんが残念ながら現実です。もちろん使い勝手やデザインはいい家もあるようです。しかしデザインだけで使い勝手が悪い家もたくさん見てきました。有名な建築家ほど自分のデザインや手法に自信があるらしく、あとでお客より不満を聞くことが多いです。まあ安全であればまだマシなのですが、更に危険だったとなると泣くに泣けないです。構造的に危ないだけでなく、生活的に危ない家も見かけます。
 もちろんチャレンジは必要だ。安全ばかりが家の要素ではない。人によって求めるものは違うのだから様々な建築手法があるのは良いことだ。しかしこうした危険な建物の乱立は法律を厳しくさせ、自由度を奪われることは一昨年の耐震偽装事件でも明らかだ。
 しかし、悲しいことに奇抜なデザインを実現させる優秀な構造建築家は少ないのも現状だ。特に小規模建物の構造屋は少なく、能力も全般的に低いのだ。これは致し方ないことで、小規模建築物の設計費は非常に安く、また重要性も認識されていないため、確認申請を通すだけの構造計算屋が多くなってしまい、手間を掛けて設計する実力のある構造建築家が育たなかったのだ。また小規模建築物は多少危険側であっても大地震時などを除き、その危険性が明らかにならないという側面も持っています。
 国としては構造建築家の育成は急務ですが、意匠建築家の構造への知識・技術向上はもっと必要です。モラルや法令整備だけでは駄目なのです。
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