耐震性よりも・・・

 実は、最近の木造住宅は、手抜きが行われず、きちんと施工されていればそれなりに地震には強い。性能表示で耐震等級をとっているものは更に強い。構造計算や過去の地震の被災例を見ていればわかる。これで大地震で倒れるのなら理由は、
 1:地盤が悪かった、きちんと地盤改良が行われていなかった
 2:施工が悪かった。
 3:老朽化が発生した

 で、私のような構造を生業にしている人間から見ても面白みが減ったな、と感じる今日この頃。むしろ偽造や手抜きや技術不足が問題になっているので、きちんとした設計者、施工者に恵まれることが最重要のことと感じます。
 さて、地盤が良く、施工がきちんと行われて建設された家はもちろん丈夫である。免震化などしなくても一般に発生する地震であればまず倒壊することはないだろう(想定外の地震は除く)。しかし上記3の部分は結構深刻なのかもしれない、と最近の施工を見ていて思います。
 知っての通り、最近の住宅は気密性に優れ新建材を多用しています。このことは冷暖房をつかう現代人にとって非常に住みやすく、また省エネで地球にやさしいので良いことと評価できます。一方、耐久性に関してはまだ、それほど時間がたっていないので、いったいどれだけの年数大丈夫なのかはわからない。構造部を密閉しているので、特に劣化した場合、その発見は非常に難しくなっております。またその補修も難しいのが現状です。昔なら建てた大工さんが自分の建てた家に責任を持っており、また不具合の発見も容易であったため、すぐに直すことができました。コストもあまりかかりませんでした。しかし今はプレカットで木材を工場で加工して現場では組み立てるだけですから、熟練した大工は必要なくなっています。ですから実際に建築に関わった人も補修をする技術がない場合も多いです。そんなわけで住宅のメンテナンスに関わる状況は年々悪化をたどっています。耐震診断を行う我々でも古い住宅は検査は楽だが、新しい住宅は非常に手間とコストがかかるようになっています。
 そんなわけで、住宅をこれから建てようと思っている方は、見せかけの保証や美辞麗句に騙されないように。初めからメンテナンスに優れた設計がされている住宅を選ぶべきであり、きちんと自社で施工し、つぶれそうにない業者を選ぶべきだと感じます。○○ホームや○○ハウスがトラブルがないと思ったら大間違いです。
 トラブルがないように設計・施工することはもちろん大事です。しかし家も過酷な環境で休み無く建ちつつけているわけですから、トラブルはいずれ発生するものです。今後そういう部分に対しての研究が必要だと感じています。

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