構造屋さんの憂鬱な日々

 構造屋さんが集うインターネットの掲示板を見ていると、皆不安だということがわかります。わたしの周囲も騒がしくなってきて、腰を落ち着かせて仕事をするのが難しい環境になってきています。建築物の構造設計はやる人によって全く違う結果が出ることがあります。これは考え方や設計方針、計算方法などによっても異なり、現在の状況では仕方がないことかもしれません。しかしそれは「職人芸」でもあり、安全性があれば(これが重要)ある程度自由にやってもいいとわたしは思っています。
 しかし世間一般の考え方は違うようです。そんな勝手なことをやっていたのか!自分の設計した建物が震度何で倒れるのかも知らないで構造設計をやっていたのか!と言われてしまうようですね。
 震度7でも大丈夫!といっているメーカーさんもあるようですが、前にも書いたように震度7の天井はありません。地震研究だって100年程度と地球の歴史からみれば、ほんの一瞬なので経験則も本当に役にたっているかは疑問です。こんな状況なのだから構造屋さんにだけ責任を押しつけるのは問題だと思います。
 親子で構造設計をやっていますが、同じ計算書からも違う図面が出来上がることがあります。たまにけんかになります。もし両方とも別物件として役所に提出して審査してもらっても、当たり前のように確認申請は通るでしょう。でも図面は違うのです。
 安全性(耐震性ではない)を重視する設計が持ち味なわたしは高い施工精度が要求される設計はほとんどしません(現場のミスのほうが怖いので)。場合により部材の経済性よりも施工の経済性(短納期)を優先することもあります。逆もあります。フランチャイズのハウスビルダーさんは、部材の統一性を求めるところが多いので無駄と知りつつ大きな部材で統一して設計します。地域の設計屋さんには、その希望を聞いて出来るだけその方針に合うように設計をし、場合によっては提案も行います。このように設計方針によって構造を変えていくことは同じ設計者でもあります。
 様々な要求に応えるのは難しいので、専門分野を狭める必要を感じています。現在、業務の改革のために様々な資料を集め検討をしています。私は設計人員の補充ができたので、しばらくは木構造専門でいきたいと思います(勝手に決めた!)。まだ体調が戻らないので悶々としている状態です・・・。
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