福岡県西方沖地震と構造計算

 福岡県西方沖地震は阪神淡路大震災以来の大都市直撃の地震でした。幸い、新潟県中越地震や阪神淡路大震災ほどの被害は出ませんでしたが、地震の規模がもう少し大きかったら大惨事になった可能性があります。
 昨年、福岡で木造3階建ての構造計算の業務をすることがありました。構造計算とは、建物の安全性を確かめる計算のことで、大きな建物は必ず構造計算されています。そのとき当然地震に対しても検討するのですが、その地震力を計算するときに用いる係数を調べてみると、福岡県は0.8でした。私のいる東京や地震が発生しやすいところ(日本のほとんど)は1.0です。逆に安全と思われている沖縄は0.7です。数値が大きくなるほど地震力が大きくなるので、法律上より頑丈に作らなければならないのです。もちろん設計者の考え方で、地震力を多めで計算したり基準より強い建物を設計することもあります。しかし建築基準法上でも地震に対して「発生しにくい」と考えていた地域である、と判断していたのでしょう。
 しかし、そんな前提もむなしく地震は発生します。宮城や釧路沖のように要注意地域と異なる場所でも次々と発生します。阪神淡路、新潟県中越、福岡県西方沖・・・。結局日本は地震列島です。地震の発生予測もあんまり当てになりません。どこに住んでも地震の危険は残ります。更に台風といった自然災害もやってきます。
 最近、かなり厳しい条件の構造計算をやる機会がありました。依頼主には「多少余裕を持って設計した方がよい」とアドバイスしています。これから家の設計を建築士やハウスビルダーや工務店に依頼される方は、構造上、あまり無茶な要望を出さないことをお勧めします。
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