安価に耐震住宅を作るには?

 どんな商品でも適正な価格でなければ売れません。新築住宅で欲しい設備の上位にくる太陽電池システムも、いざ導入となると非常に確率が低いのです。免震住宅も同じです。両方とも半額になれば爆発的に売れると思うのですが現実はなかなか難しいようです。
 構造設計をやっている、って話すと頑丈な家を建てるというイメージがあるようですが、構造設計は合理性と経済性です。特に一般的な共同住宅、住宅は、いかにして小さい部材で法律上最低の基準をクリアするか?ということが求められることが多いのです。今の時代いかに安く建物を建てるか?ということが発注主の要求である場合が多いのです。最近、ある住宅の構造計算をして構造設計をしたのですが、多少余裕を持たして設計したら「過剰設計だ!」と激怒されました。意匠設計者はともかく、施工者にとっては出来るだけコストを下げて利益を上げたいということなのでしょうか?もっとも無駄に大きい部材を使えば頑丈になるというものではありません。構造設計の難しさの一つに、こういうさじ加減があります。
 さて、本日の本題。安価に耐震住宅を作るにはどうすればよいか?一般的に鉄筋コンクリート住宅のほうが地震に対して安全というイメージがあります。私もそう思います。しかし鉄筋コンクリートは重く地盤を選ぶ上、高価です。増築も難しいです。壁や柱が太いので狭い日本の土地だと自由度が犠牲になる場合もあります。そういうデメリットを許容できるのであればお勧めできます。鉄骨住宅も悪い選択ではありません。設計の自由度も高いうえ、鉄筋コンクリート造より安価でしたから。しかし最近は中国の影響で鉄骨の価格が非常に高騰しており、場合によっては鉄筋コンクリート造とあまり変わらない価格になったり、時期によっては鉄骨の入手自体が困難な場合もあります。
 一戸建てで一番多いのは木造です。地震のたびに木造住宅が壊れているイメージがあるのは数が多く、古いものも多いからです。きちんと建てた木造住宅は地震に対して弱いというわけではありません。何よりも軽量で安価。リフォームや増築も簡単です。火事に弱いといわれていますが、最近の住宅は火に強くなっており昔ほど弱くはなくなりました。問題は「きちんと」の部分ですね。
 安価で地震に強い構造は現在比較的簡単に作ることが出来るようになりました。あとは「どの程度の地震まで耐えればよいか?」「最悪の事態でも圧死しないで済む程度」のさじ加減と耐用年数との兼ね合いなのですが・・・。
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